第477話 珠の使い道

デアさんの提案、それは”珠”


珠を使って女勇者と女魔王との因縁を断ち切ろうというものだ。


神の作った?アイテム。そして神が作ったシステムとでもいうべきこの因縁。


もしできたとして、どうやって?そしてどういった影響があるのか?


色々考えないといけないな、リスクが大きすぎるし。


俺が対象なら、試すのも吝かではないが、世津とシビルに試すのは、リスクがありすぎて怖い。


「白河さん、その珠ですが、手持ちはいくつぐらいあるんですか?」


俺は白河さんに尋ねる。


「ああ、今はこの1つだけだよ。作った先から、あいつ等が持ってくからね。」


「あいつ等って?」


「ほら、話に出ていた3柱とか言う神だよ。」


「じゃあ、もしかして?」


「ああ、もうすぐここにやってくるね、間違いなく。」



なんと!ここに神とか言う、一寸俺的には眉唾物なんだが、実在してるとして、どういった奴らなんだろうか?


白河さんが何も抵抗していないのだから、それなりに強いのか、無害なのか分からないけど、まあそういう意味では安心かな。


「あ、そうそう口田君。僕がこの個人的に持ってる珠を用いて作ったアイテムだけどね、どんな効果か知ってるかい?」


「え?白河さんもう珠使ったアイテム作ってたんですか?ちょっと想像もできません。」


「まあ普通そうだよねえ。僕はスキルのバックアップを取りたくて、何とかならないかと思ったらね、出来上がったものがこれ、スキルのバックアップじゃあなく、命のバックアップだったんだよね。」


え?何それ命のバックアップ?



「知ってるかもしれないが、僕は2回ほど死んでるんだよ、実は。」


「え?そう言えば以前、白河さんが殺されたって、異世界からの神隠し?みたいな見出しで・・・・ついに死す!とか出てたっけ?ああそうだ、確かそんな記事をネットで見かけた気がします。」


俺は白河さんにそう言って白河さんを見る。


「そんな記事が出てたのかい?もっと違う内容と思ってたけど。何はともあれ、アイテムを使った時の状態で、死んでも復活できるんだよ。これが神の珠の力だと思ってる。」


「生命の根源がひっくり返りそうなアイテムですね。じゃあ何度でも死ねますね、しかも若返る?」


「あ、注意しないといけないのは、記憶は引き継がれないという事だよ。アイテム使った時の記憶までしか戻らないからね。」



うーん・・・・記憶が無いのはきついなあ。


生き返ってもあまり嬉しくないなあ・・・・


記憶のバックアップも取れたらいいのに。

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