第468話 シビルと話をする その2

「俺は、シビル、君が色々変わってたから、ずっと気にはなってたんだ。ハイエルフなんて言うのは知らないし、ダンジョンで君だけ生き残れたのがそもそも不思議過ぎてね。シビルには悪いけど、色々調べさせてもらった。」


「私を、始末するつもり?」


シビルが身構える。



「しないよそんな事。する理由が無い。俺は、シビルが抱えてる闇を、少しでも軽くしてあげたいんだ。あと、出来れば女神は殺さないでほしい。多分殺せばこの世界のバランスが崩れる。折角君とこうして夫婦になれたんだ。」


俺はそっとシビルを抱きしめる。


「あ・・・・」



「シビル、君の正体は結局分からずじまいだったけど、予想はつく。俺はひそかに世津と、世津の任務であるはずの女魔王の討伐をどうにかしようと女魔王を探したんだが・・・・結局殆ど手がかりが無くってね。わかった事と言えば、代々ハイエルフの親子が女魔王、女魔王が死ねば、血の繋がってる誰かが代わりになる。まあそれだけだ。」


「よく・・・・調べたわね。」


「ああ・・・・もしかして、女魔王を討伐したら、日本に帰れるんじゃないか、もしくは話をしてみて帰るきっかけになるんじゃないかと思ってね。だけど、結果は、恐らく討伐しても帰れない。それに、どうやら女魔王はこの世界に危害を加えていない。それも1000年以上。そんな女魔王をどうして討伐しないといけないのか。そのくそ女神に確認したかったんだよ。」


「それはどういう?」


「俺なりに調べた結果、どうやら神の世界でも何か問題があるようでね。そこで女魔王を討伐しておけば、何か神の世界にとっては利点があるようで。それを問い詰めたかったんだよ。」



「何それ?」


「うん・・・・僕たちは、神々の問題に巻き込まれたんだよ、シビル。」


「じゃあ私の存在は?」


「分からない・・・・もしかして、何らかの触媒じゃないかと俺は考えてるんだが・・・・俺はシビル、君を全力で守る。」


「・・・・いいの?そこまで話したんだから、私の正体、分かってるんでしょ?」


「うん・・・・自信はなかったけど、大体予想はついていた。シビル、君が今の女魔王なんだね。」


「そうよ。でも、どうするの?」


「俺はこの世界の人間じゃない。魔王と勇者のしがらみとか、この世界においての魔王との関り、しがらみは俺には関係ない。俺はただ、女魔王であろうとなかろうと、シビルを 護る・・、そう決めてる。


「神々に狙われるわよ?」


「知った事か!」


「本当にいいの?」



「いいさ・・・・それでどうにかなってしまうなら、俺もそれまでさ・・・・という訳で、シビル・・・・」


「あ・・・・ああ!二人っきりでってこういう訳?」


「駄目?」


「むしろ歓迎よ!」




朝まで待たされた奥さん方に、後々2人、こってり怒られました・・・・

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