第452話 意外な?事にレシティアが優秀だった

俺はこっそり、レシティアの仕事っぷりを見ていたのだが・・・・ごり押しでここにやってきたのだから、そう、大した事は出来まい、と思っていたのだが、これが意外と、彼女は頭がよく回るようで、機転もきき、受付の相手にも好評らしい。


それにしてもよく動くな彼女・・・・


俺に対しては、なのじゃ!とか、我!とか言ってるが、そんな事はない。


王都では兎に角、ここでは彼女が王太子の長女と知る者はほとんどいないので、彼女に対して遠慮がない。

それに荒くれ者が多い冒険者だが、他の受付嬢よりうまく対応しているようだ。


あと、驚いたのが、彼女はあらゆる知識を得ているようで、商人の手続きから、鍛冶職人の対応、勿論冒険者の手続きや、素材の買い取り、見た目の良い彼女に対し、ナンパが多かったが、それをもうまくかわしている・・・・


ひょっとして彼女は天才か?

意外な才能を見た・・・・


あまり陰から見られるのも嫌だろうし、俺は帰る事にした。



俺が帰宅すると、ホムさんが困った顔をしながらやってきた。


何やらダンジョンに異変が発生しているようで、何故かダンジョンに入れないそうだ。


あ、冒険者は普通に出入りししているようなので、問題なさそうなのだが・・・・


周りを見渡すと、いかん・・・・皆子育て真っ最中で、とてもじゃないが一緒にダンジョンに行くのは無理っぽい・・・・身から出た錆なんだが・・・・仕方ない、バルトサールを連れていこう。


「バルトサール、ダンジョンに問題があるようなので、今から行く。ついてきてくれ。」


「・・・・ビクトルダンジョンでございますか?あそこはビクトル卿の管理するダンジョンですので、彼に確認させればよろしいのでは?」


「そうなんだがな、一寸特殊でな、どうやら今の所、ダンジョンに出入りしている冒険者には問題なさそうで、管理者のホムさんがダンジョンに何故か入れないそうなんだ。そんな事ある訳ないんだが・・・・何か重大な異変が発生している可能性があるから、この目で確認してみたいんだ。」


「・・・・わかりました。他には誰か同行させますか?」


「いや・・・・いいだろう。何もなければいいが、もし万が一とんでもない事態になってしまえば、対応は少人数の方がやりやすい。」


「かしこまりました。それでは準備を致します。」


「あ、一応俺の新しく作った装備、装着しといてくれ。以前より着心地も、防御力も、魔道具としての効果も上回ってるから万が一の時に生き残る可能性が増えるはずだ。」


・・・・俺は少し不安があったので、急ぐことにした。

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