第446話 やっぱり・・・・

俺は2人が寝込んでいる、王都の医務室に向かう。


「士門さま、わざわざあちきの為にお越しいただき恐縮でございます。」


相変わらず言葉が不安定だな、ノエラは。


あちき言葉をなおそうとしているらしいが、油断するとつい出るようだ。


「気にしないでくれノエラ。気が付かずにすまん。」


「有り難い事でありんす。」


・・・・気にしないでおこう。


そしてヒルダが無理に起き上がり、


「士門さま、ごめんね、役に立たなくって。折角救ってもらった命なのに、これじゃあ恩返しもできてないね。」


「そんな事はないぞヒルダ。ここの店がこれだけ繁盛してるのは、2人のおかげなんだから。」


「そう言ってもらえると、うれしいな。」


力尽き、再びベッドに倒れるヒルダ。


俺は回復魔法を使ってみるが、まるで効果なし。

・・・・まあそうなるわな、俺の予想が当たっていれば。


「あー来たばかりで申し訳ないが、ちょっと待ってくれ。人を連れてくる。」


俺は急いで看護師さんを連れに戻る。


まあもう男女の仲なんだから今更なんだが、一応、な。


・・・・

・・・

・・



俺は看護師さんに呼ばれ、問いただされる。


「私がどうこう言ういわれはないけれど、この2人のお腹の子の父親も、口田さんなんですよね?」


「・・・・面目次第もございません・・・・」


年上なので、ついかしこまってしまう。


「人それぞれだからどうこうは言わないけど、彼女たちはそれで納得してるの?」


「ああ・・・・ここは俺達の常識が通用しなくてな、それは大丈夫みたいなんだ。何せ、強い男には複数の女がいて当たり前という考えらしくてな。」


「はあ、ハーレムですかそうですか。私もバルトサール様を気をつけて監視しておかないと、いけないのか。」


・・・・あ、彼女は2人が妊娠していることを告げてくれた。やっぱり悪阻が酷いらしい。


俺は再び2人の所へ向かう。


「士門さま・・・・こんな時に申し訳ないでありんすなあ。」


「ごめんね、まさか2人とも妊娠しゃうとは思ってなくて。」


「そりゃあ避妊してなかったから、何時かはこうなるよな・・・・これは俺のせいだよ。あ、それとなあ、そんなこと考えないでくれ。妊娠おめでとう!そしてありがとう!俺は2人が妊娠してくれてうれしいよ!」


「よかったのでありなんしか?」


「お祝い事だよ。」


「ノエラよかったね!士門さまはそう言ってくれるって思ってたけど、少し不安でね・・・・」


「これからどうする?店は何とかなるだろう。館に来るか?もうそろそろ2人も俺の所で過ごしてもいい頃合いかな。」


「いいの士門さま?そりゃあ行きたいけど?ねえノエラ?」


「はいお嬢様。」


「じゃあ少し我慢してくれ。船で移動するから。」



こうして2人は館に移り住む事になった。

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