第440話 クラン”御国台の代表変更”
俺はマウリシオさんとその弟子2人、メイドの中心者数名を伴い、領地の館と、新たな街を案内する。
ばらばらに案内するのが面倒だったので、全員一緒に来てもらった。
あ、世津と三津枝が付いてきてくれた。
ヴィヴィは・・・
「あにさまを見てしまったら、あにさまの元へ戻ってしまいそうだから、館に残ってるわ。」
と言って残っている。
シビルはダンジョンで色々獲得した素材を吟味している。
あ、そう言えば、結局あの香りの素材何だったか分からずじまいだった。今度はちゃんと獣人・・・・特にエミリーを連れていこう。
「・・・・領地を案内していただきありがとうございます。これよりティンドールに戻り、ここにいるメイド長共と今後について話をしていきたいと思います。それで口田様、メイドですが、希望があるようでしたら一度館を見学させて頂いて宜しいでしょうか?流石に若い娘に、全く縁もゆかりもない土地へ行けとは言えません。」
「ああわかったよ。誰かゲートを使える人もいるだろう?そうだな、そこのメイド長だったか?一緒に来てもらえば大丈夫だろう。」
「ありがとうございます。」
こうしてマウリシオさん達は、クチタ領をある程度見て回り、ティンドールへ帰っていった。
あ、俺もティンドールに行かないと。
あ、その前に色々アイテム、装備を作っておこう・・・・
・・・・
・・・
・・
・
ティンドールのギルドに顔を出したいというイベッテも途中まで同行し、世津、三津枝、佐和の3人を伴いクランの拠点へ赴いた。
前もって連絡をしていたので、”黒い奴”のメンバーは全員そろっていた。そして、出来る限り御国台の召喚者には集まってもらった。
「皆すまないね、集まってもらって。」
「いえ、師匠がクランの代表ですからね、当然です。」
そう言う本白水だが、全員そういう気持ちではないだろう。
俺が3年の期限でここを提供し、金を全員に渡していて、その返還期限が過ぎていることを覚えているメンバーも多いだろうから、どうなるのだろうと内心ビクビクしている人もいるはずだ。
「今更なんだが、このクランを立ち上げ、建物が完成してからもう3年経った。最初に購入した館もそうだが、周りは随分建物が増えたと思う。そして、俺は別の領地を拝領したおかげで、貴族になったんだが、その所為でティンドールへはほとんど顔を出せなくなってしまった。」
俺は一息つき、周りを見渡す。
皆俺を見ている。
当たり前か。今自分達にとって重大な岐路に立たされていると、気が付いているはずだ。
「3年あればそれぞれ思う所はあると思うけど、右も左も分からない土地でも、それなりに暮らしていくに十分な時間があったと思う。もう、俺のサポートはいらないんじゃないかと思ってね。今までは御国台からの召喚者への支援をしていたという認識だけど、これ以上は単純に施しを与えるだけという事になるんじゃないかと思ってね。」
皆顔を見合わせているな。
「そこでだ・・・・今後は俺はクチタ領に専念したいので、クランの代表を本白水君に譲り、クランを脱退し、クチタ領の領主として活動をしようと思っている。」
皆の驚く顔。
「そんな師匠!待って下さい!我々を見捨てるつもりですか?」
「本白水君、俺のパワーレベリングでレベルアップしたのは不本意だが、先だって黒い奴は皆レベル10になったはずだ。これ以上俺のサポートはいらないだろう?」
俺は黒い奴全員にそう言った。
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