第414話 ボースマ王国の混乱再び
ダミアンが憔悴しきった様子で、俺の前にいる。
俺はアウグスティンが放った伝令兵を、ボースマ王国のダミアンの元へ送った後、1人でボースマ王国へ向かおうとしたが・・・・
何故か先回りされ、世津とミシェレ、ヴィヴィが既にボースマ王国にいた。
何でいるんだよ?
どうやらたまたま3人で行動していたようで、ヴィヴィがミシェレにこういった建物を作って欲しいと相談し、たまたま世津がミシェレに土魔法を使って欲しいと言いに来ていた所、3人が俺の近くで居合わせた・・・・で、伝令とのやり取りを聞いてしまい、先回りしたらしい。
「きっと来ると思ってましたよ?」
世津が言う。
「あの・・・・何で私まで?」
ミシェレは来る気が無かったようだ。
「さあ!あにさまを助けるよ!」
ヴィヴィは張り切ってるな。
さて・・・・ゲートで出た先に、ダミアンはいるはずだが・・・・
暫らく建物内をうろうろしていると、見た顔がいたので、ダミアンの今居る場所と聞くと、
「向こうの部屋で籠ってますよ。もう滅茶苦茶ですよ。」
・・・・すれ違う人々の慌てっぷりは、事の重大さが分かりやすく反映されてるなあと思いつつ、ダミアンがいるという部屋に向かう。
そう言えばここって何処なんだ?城か?
あいつボースマ王国の王族の生き残りなんだよな?パールメース帝国が城を破壊してなければ、普通は一番立派な建物に居を構えるよな。
戸が開いていたので、中を覗くと・・・・いた。ダミアンが忙しく指示を出している。
すると・・・・何故か俺と目が合ってしまう。
あ・・・・何か期待してる顔つきになったぞ?
そう思いつつ、3人に声をかけようと振り返ると・・・・うおお!
一瞬にしてダミアンが間合いを詰めてきた。
そんな馬鹿な・・・・俺のレベルで対応できないだと?
そう思うが、ダミアンは俺をガシッと掴み放さない。
「口田様!良かった・・・・先ほどのアウグスティン殿の伝令を受け取ったのですが・・・・20万もの大群が押し寄せれば・・・・抵抗のしようもございません。」
「あ、流石に20万も来ないと思うぞ?」
「20万が10万でも一緒の事ですよ?現在ボースマ王国の兵をかき集めても5万がいい所ですから。実際防備にあてる事が可能なのは・・・・その半数強、3万がいい所ですので・・・・話になりません。」
・・・・そりゃあ慌てるわな。
「何とか籠城とかでしのげないのか?」
「無理です口田様。まだパールメース帝国に支配されていた傷跡が、殆ど回復していない状態なのですから、対応も何も、どうしようもありません。」
・・・・どうしてか最初から半ば諦めているダミアン。
困ったな・・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます