第412話 帝国兵 VS  アウグスティン

パールメース帝国領内・・・・・アウグスティンが立てこもる、とある砦・・・・



アウグスティンが部下に問う。

「戦況は!」



「正面、20万の正規兵が無策で突っ込んできます。」


「正規兵だと!それも無策?・・・・無策とは何だ?」


「その名の通り、無策でがむしゃらに突っ込んでくるのです。」


「そんな馬鹿な・・・・それでは無駄に兵が死ぬではないか?父上は何を考えているのだ?」


「・・・・何も考えていないのでは?そもそも我々に攻撃を仕掛けてくる意味が分かりませんから。」


「・・・・やはり・・・操られているのか、父上も。そして、こんな事をする理由がきっとあるのだろうが・・・我々が生き残るためには、先ず目の前の惨状をどうするかだ・・・・」


そして暫くして・・・・


「左翼より軽歩兵侵入。堀へどんどん落下しております!」


「なんだと!あの堀は10メートルは掘ってあるんだぞ?落ちたら死ぬぞ?」


「そうなのですが・・・・どんどん落ちて・・・・」


今後は別の伝令が。


「申し上げます!右翼の堀は・・・・既に帝国兵の屍で埋まってしまい、その・・・・そのままこちらへ向かってきます!さらに!アウグスティン様の弟君が兵を率いているとの情報があります!」


・・・・どういう事だ?右翼も左翼も、深い堀でそうそう攻め込められない造りのはずだ。


それを・・・・まさかの人海戦術だと!


帝国領内は、とんでもない内紛に突入していた・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「どうですか?上手くいってますか?」


「ああ・・・・しかし酷い作戦だな・・・・まさかあの堀を、直接死体で穴埋めしてしまうとは・・・・」


「死体じゃありませんよ?生きたままですよ?」


「もっとひどいじゃないか・・・・しかし、君が敵じゃなくてよかったよ。おかげで良い思いをさせてもらってるからな。」


「ははは・・・・・あ、どうやら堀が埋まったようですね。次はあの2体の処理ですか・・・・あのまま死んでくれればいいのですが・・・・」


「我々が直接手を下すと色々後が面倒だな。そこを同士討ちとか・・・・よくもまあ実行できるな。」



「まあ、せめてこれぐらいは役に立ってもらわないと。ほら、この2人は随分役に立ってるじゃあないですか?」


そう言って示すのは、2人の女性だ。


パールメース帝国にいる3人の姫のうちの2人だ。


「しかし・・・・もう1人は何処へ消えたのですかねえ?私達のスキルが効かなかったので、薬で動きを封じたつもりだったのですけどねえ?」


「忽然と消えたらしいな・・・・いい女だったんだけどなあ・・・・」


「まあ、今はこのメス2体で我慢しましょうか。これはこれでなかなかでしょ?」

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