第378話 元看護士の3人
一番年上の女性は、病棟の看護師のリーダー的存在だったようで、俺はその女性に、この兵士の回復を任せた。
この女性は、他の2人に・・・・自らも動きつつ、適切に回復させていく。
彼女達3人は、元看護士だけに・・・・此処へ来るまでは現役だった・・・・回復魔法が使えた。
後は・・・・剣・・・・たぶんメスとかを扱うからだろうが・・・・の使い手。勿論本人達は、実際此処に来るまで、剣なんか扱った事なんてなかったんだけどね。
そして俺は・・・・順次回復していく兵士の中から、主だった幹部を集め、今後の見通し、話し合いを行った。
幹部というか・・・・同じ奴隷のうち、教養のある者、元貴族などが主だったメンバーのようだが・・・・俺が思っていたような、貴族だからと言って威張ったり人を見下すとかはなく、真摯に俺の話を聞いている。
「で、あんたらの・・・・身内やらを助けるのに、帝国の・・・・元々はあんたらの土地へ行きたいのだろうが・・・・俺を直接巻き込まないでくれよ。手助けはするが、俺はあくまで一領主に過ぎない。それが隣国へ国に無断で侵略とか、言語道断だからな。」
「ではどうしろと?」
「あんたら、向こうへ攻め入って、帝国に勝てるのか?」
「そ・・・・それは・・・・戦ってみないと・・・・」
「無理だろう?そもそもあんたらの公国へだって・・・・いや、公国だけじゃないのか?数倍の戦力で攻められたんだろう?」
「それは・・・・そうですが・・・・今は装備も!」
「その装備は帝国のだろう?」
俺は指摘する。
「いいか、たぶん戦っても勝てない。万が一勝てても、身内を人質にされるのがオチだ。だからな・・・・この中で隠蔽スキルや隠密スキルってあるのか?を持った者や、誰にも気づかれないまま帝国へ侵入できる奴は何人いる?」
10人程現れた。
その中で一人、気になるスキル持ちが。
”影使い”というスキルのようだ。
「影使いとは何のスキルだ?」
このスキルは、今集まってる人のうちの一人が所有していた。
「影から影へ、潜れるスキルです。」
「具体的に何が出来る?」
「帝国領へ誰にも見つからずに侵入できます。」
・・・・俺は考える。
「ここにゲートがある。2つでひとつの対になるゲートだ。一つはこの付近に設置する。少し森に入って、そこに色々設備は作っておく。もうひとつをあんたが持って侵入し、隠密行動がとれる者にゲートで侵入してもらい、こっそり奴隷をここに連れてくるんだな。失敗しても俺は知らん。」
「つまり・・・・私が先に侵入し、ゲートを展開、そのゲートで隠密行動がとれる者がさらに侵入し、奴隷にされている住民を助ける、でいいですか?気付かれずに出来るでしょうか?」
「そんな事俺は知らんよ。そこまで責任取れないし、他にもっといい案があればそうしてくれ。なければ・・・・できるだけ早くしたほうがいいぞ。敵はすでに撤退してる。もし戻れば・・・どうなるか・・・・」
今回は時間が無いので、俺が船を出す事に。
「乗れ。空から行く。この船は他言無用だ。」
はあ・・・・また面倒な事になったな。外交問題にならなければいいのだが。
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