第366話 警戒

「いいか、俺は回復魔法が使える。今からこの女性に回復魔法をかけるが・・・・ちょっと制限があってな、直接触れないと発動しない。どこが悪いか分からないから、今は手を握るだけにするが・・・・万が一、心臓が悪ければ、裸にしないといけない。」


ざわめく。そしてその中の1人が・・・・


「いい加減な事を言うんじゃねえ!」


ガタイのいい野郎だ。正直貧弱な俺からすれば、羨ましいぜ!は!そんな事より・・・・


「じゃあお前はこの女性を助ける事が出来るのか?」


「うぐ・・・それは・・・・」



「まあ、ここまでやってきたんだ、きっと疲労か空腹か、どっちかだな。ちょっと待ってろ、この程度なら手を握るだけで何とかなるだろう。」


俺は倒れた女性の手を握り、魔法を使う。

う・・・・相変わらず回復魔法はきついな。


暫くすると・・・・


「あ・・・・あれ??私、どうしたのかしら?急に目の前が真っ暗になっちゃって・・・ってどちら様でしょうか?」


「たった今あんたを回復させた通りすがりのここの領主だよ。」


「えっと・・・・助けていただきありがとうございます?って・・・・りょ・・・・領主様?もっもも申し訳ございません・・・・」


「気にするな・・・・あ、これ飲んで。」


ポ▼リをポチり、コップに入れ直し・・・・流石にペットボトルはまずいからなあ・・・・渡す。


「これは・・・・?」



「あんたきっと疲労と空腹で倒れたんだ。これ飲んでおけば当面大丈夫だ。」


何やらすでに元気そうなんだが・・・・


「おいしい・・・・何だか元気が湧いてきます!」


すげー元気になったぞ?


「大丈夫そうだな・・・・ところであんた、料理はできるか?」


「は・・・・はい!出来ます!」


「今料理できそうな人、他にもいるか?」


「ちょっと待って下さい!」


おいおい、走って行ったぞ?


暫くすると・・・・10人ほどの女性がやってくる。


皆。疲れ切っている。大丈夫か?


「まだいますが・・・・皆さんもう力尽きてしまって・・・・」


「俺にはあんた以外の全員が力尽きてるように見えるがな・・・・まあいい、これ全員飲んで。この人に飲ませたら元気になったから。」


そう言って全員に飲ます。


その間に、一応全員に広範囲の回復魔法を・・・・これは触れてなくてもいいけど・・・・ほんのちょっぴりの回復効果しかない。まあ、無いよりましな程度の効果。



すると、何故か全員めっちゃ元気になる。


・・・・はて?そこまでの回復効果なんてあるのか?


総勢千人はいようかという集団の料理、5人では大変だろうから、助っ人部隊を世津達に送る。


あ、さっきの野郎も行っちまった・・・・ドサクサで飲んだのか?

まあ、力仕事やってもらおう。


もう既に先頭は鍋の場所へ着いてるだろうから、順次食べてもらう感じかな。


俺は、体調の怪しい奴を捕まえ、どんどん飲ませていく。

特に子供がやばい。大人もきついのに、子供の体力でよくぞここまでこれたもんだと思ったよ。


後で聞けば、大人が自分の食べ物を削ってでも、子供に渡していたようだ。

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