第317話 パメラの運命の人

Side パメラ


さあ、さっさとダンジョンの報告を終わらせましょ。


そう思ったのだけれど・・・



うそでしょ?

100層?キング?

一体どれだけ凄いダンジョンだったのよ?


しかもビクトルさん、確かレベル4だったわよね?それが今ではレベル・・・9?


えっと他の人は・・・・国王様を含め、レベル9の人が全員10?

ええと・・・・私おかしくなっちゃったのかしら?


世津さん達もレベル10になったらしいけれど・・・・・どれだけ凄いダンジョンなのかしら?


それを発見し、踏破したビクトルさんって・・・・


これで私も、勝ち組ね!


しかも今は口田さんの希望パーティの一員とか。


口田さん以外、全員女性パーティだったから、意外だけれど、もうこれ以上の出会いはないわね。


あと・・・これ一番肝心なのだけれど・・・・ビクトルさんって・・・・イケメンなのよね。

ひげもじゃのむさ苦しいおデブなおっさんだったら・・・だけど、引き締まった身体だし、性格は素直そうだし←これ肝心、言う事なしね!


あ、だめ駄目・・・・脱線しちゃった・・・


「あ・・・あの・・・・パメラさん?大丈夫ですか?あ、そうですか。では報告はこの辺りで、あとはドロップアイテムですが・・・・」


見せてもらったけれど、凄い量。


え?アダマンタイン?ヒヒイロカネ?何それ美味しいの?駄目だ私頭おかしくなっちゃった。国宝級の素材が大量に目の前に・・・・


売らないとは思うけど、口田さんが全部見せるように言ったらしく、まだまだ出る出る。


げ・・・・ドラゴンの素材がこんなに・・・・鱗でしょ?牙・・・凄い牙・・・・あ、お肉!これ私も少し分けてもらえないかしら?え?いいの?ビクトルさんの分け前をあげるって?わ・・・・ドラゴンスレイヤーになっちゃってる・・・・凄い・・・


後の厄介事はギルマスに任せ、早速ビクトルさんとデート!


・・・・

・・・

・・


「あの、もしかして迷惑でしたか?」


ちょっと不安になったので聞いてみる。


「え?いえいえ、そんな迷惑だなんて!こんな美女とデートってもう一生ないんじゃないかと思ってるぐらいですから、ははは・・・・」


ビクトルさんに不満があるとしたら、自らを異常なほど卑屈になってて・・・・もっと自信を持てばいいのに・・・・あ、でもそれでは私のチャンスが減っちゃう?

これは・・・・思案のしどころよね。


このまま私がビクトルさんを導けばいいのよ!そうだわ!


そして・・・・夜になり・・・・


予めリサーチしていたお店で、ディナーを。

そして・・・・今日は勝負よ!


少し前に勝負下着に着替えたし!


「ビクトルさん、本日はありがとうございます。」


「いえ!僕の方こそ勝手がわからず、パメラさんに任せっきりでした。」


「ふふ、気にしなくていいのよ?(いい感じでお酒の効果が・・・・これはイケる!)私・・・・ビクトルさんにお礼がしたいんです・・・・」


「え?お礼って?」


それは・・・・ふふ・・・・


・・・・

・・・

・・


朝、ビクトルさんは隣でぐっすり。

ちょっと痛かったけど、これが・・・・愛?


ビクトルさんが起き出す。


慌てているわね。


「そそそっその・・・・ぼぼっぼく・・・・とんでもない事を・・・・」


「・・・・私の事嫌いになっちゃいました?」


「いえいえ!とんでもない!それより・・・・嫁入り前の女性になんて事をしてしまったんだ・・・・!」


「ふふ、いいんですよ?ちゃんと責任とってくれますよね?ア・ナ・タ?」


「え・・・・その・・・・もっももしいいいパメラさんが・・・許してくれるなら・・・・けけけっけっこおんん結婚ししっしてっく下さい!」


「はい、謹んでプロポーズお受けいたします。今日から私はビクトルさんの奥さんですからね、あなた!」


「ええええ!!ええ?いいんですか?僕なんかと結婚しちゃって?」


「駄目?」


「う・・・・うれしいです・・・・こんな幸運が舞い込むなんて・・・・」


「それでは、今後ともよろしくお願いしますね、旦那さま♪あと・・・・浮気は駄目ですよ?」


「パメラさん一筋ですよ、僕は!」


「嬉しい・・・・」



こうしてパメラはビクトルへ嫁いだ。


そして・・・・近年まれに見るサクセスストーリーとして、そしておしどり夫婦として長く語り継がれる事になる・・・・

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