第313話 色々考えないといけないな・・・・

俺は今、船で王様ご一行を城へ送っている。


佐和とイベッテも勿論一緒だ。


城へ着くと、王子様が王様を待っていた。


「父上、分かっていると思うのですが、貴方は王様ですよ?分かっていますか?」


「わかっておるわ!万が一儂が死んでもお前がおるではないか、だから安心してダンジョンへ行けると言うものだ、がっはは!はっはあああああいってええええ!何をするマリルー!」


「だまらっしゃい!」


・・・・王様、奥さんを怒らせたらいけません・・・・

見事な回し蹴りだった・・・・とだけ言っておこう。


「婿殿、色々ありましょうが、また後日という事で、お子と共に戻られてはいかがか?」


王妃様は分かってらっしゃる。


「感謝いたします。また後日改めて・・・・」


王妃様は今度は王様の襟をつかんで引き戻す。


「暫くは婿殿の家に行ってはなりませぬ!」


「なぬ!それは勘弁してくれんかね、マリルーよ・・・・」


「ならダンジョンなど行かなければよかったのです!では婿殿、また後日。」


そう言って王妃様は王様の襟首を掴んだまま引きずっていった・・・・


「すまんな口田殿、父上が迷惑をかけた。」


「いえ王太子様、これも義理の息子としての役目ですよ。」


「そう言ってくれると助かるが・・・・暫くは休むのか?」


「そういう訳にも行きません。ダンジョンの事もありますし、領地の事もあります。」


「まあ無理はするなよ。」


そう言って王子様は戻っていった・・・・


この後、タティアナ様と共にイベッテと佐和がそれぞれ子供を抱いて戻ってくる。


「またいらしてくださいね、佐和。」


「はいタティアナさん。それでは、ごきげんよう。」


佐和はいつの間にか仲良くなったようだ。


「それでは戻りましょうか?」


イベッテがそう言う。


また船に乗って、家に戻った。


流石に色々疲れたな・・・・


久しぶりに温泉につかる事に。


家族で入る風呂はいいなあ・・・・


俺はそう思っていたが・・・・思ったより疲れていたらしい。



・・・・

・・・

・・




気が付けば、ベットの上だった。


あれ?いつの間に寝たんだ俺?


起き上がると、ノエラとヒルダがいた。


「あれ?どうして2人が此処に?」


「覚えてないの?しもんさん風呂で倒れたんだよ?倒れたというか、湯船で沈んじゃった・・・・」


「何それ怖い。それ本当かい、ヒルダ?」


「本当よ。流石にダンジョン100層とか、疲れて当たり前!」


俺はビシッとヒルダに怒られる。


「自身の管理が出来ぬようでは、この先どうなるのですか・・・・あちきは心配で・・・・」


あ、ノエラが泣き出した。そんな風な女性には見えないんだがなあ・・・・


「あ、すまなかった。2人には心配かけたな。」


そう言って2人を慰めるが、ヒルダまでもらい泣きをする始末。


「ダンジョンへ籠って半月、もう心配で心配で・・・・う・・ううう・・・・」


ゲートがあるから、ちゃんと戻ればよかった・・・・戻ったのって、佐和とイベッテをダンジョンへ連れて行く時だけだったからなあ・・・・


俺はそんな二人を抱きしめる。


「ごめんよ2人とも。一生懸命店の事をしてくれているのに。俺は何もしてあげられていないな・・・・」


そう俺が言った時、2人の目がギラッと光った気がしたが・・・・気のせいだよな?


「いえ・・・・今からでも遅くははありません。」


「ノエラの言う通りです!もう大丈夫ですよね?佐和さんたちの許可は得てますから、ささ、行きましょう!」


は?何だ?許可って何?どうするの?え、ちょっと!引きずり下ろすな・・・・俺裸じゃないか・・・・止めてくれ・・・・



俺は裸のままどこかへ引きずられていった・・・・

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