第277話 続・オリジナルの服

ミシェレに付き合いつつ・・・・


工場の工房・・・・オリジナルの服がやっと完成したらしい・・・


ここで言うオリジナルの服とは・・・・


この世界で得た素材で、この世界で作成した道具を用いて作った服の事だ。


今までは・・・・電動ミシンを用いたり、布も俺が買ったのを使用したりと。


それがようやく・・・・ミシンは、足踏み式を作ってもらい、針は・・・・見本を元に、職人が頑張って作ってくれた。


他の金具も職人泣かせ・・・・・だが、やり切ってくれたようだ。


そして、デザインは主に佐和がやってくれて・・・・子育てしながらなので、そんなにはできないが・・・・


「あなた?やっと完成なのね?よかったわ!おめでとう!私も嬉しいわ。」


「ありがとう佐和。服のデザインは、殆ど君がやったんだろう?子育てしながら・・・・ありがとう。」


俺は佐和に感謝をし・・・・感謝のしるしに、今晩頑張ってほしいわ、と言われた・・・・


「あなた・・・・おめでとう・・・・あまり私は関われなかったけど・・・・」


そう言う世津だが、佐和が殆どデザイン関係に注力していたせいで、三津枝と共に・・・・三津枝は素材集めに奔走する事が多かったので・・・・世津が縫製やら、刺繍やらの試作を作り、現地採用した針子たちに指導していたのが、主に世津だったのを知ってるから・・・・


「そんな事はないぞ、世津。そもそも試作の時は、世津が中心となって縫っていたじゃないか。針子たちへの指導も、主に世津がやっていたじゃないか。」


俺はそう言ってねぎらう。


「そう言ってもらうと嬉しい・・・・え?何かお礼がしたい?では・・・・そろそろ子供が欲しい・・・・」


いや、子供は・・・・授かりものだからね?すぐには手に入らないよ?


「あなた!やったね!やっと完成?私も素材集めに走り回った甲斐があったよ?」


うん、三津枝はよくやってくれた。


素材集めに関しては、彼女が中心になってやってもらった。


「ありがとう三津枝。一番地味な仕事じゃなかったか?何処にあるか分からない素材を探しに西へ東へ奔走し、ダンジョンへ潜り当てもなく探さないといけない・・・・そんな中、何処で何を手に入れられるか、きっちり調べてくれたじゃないか?ある意味素材がないと話にならないからな、ここまで来たのは三津枝の存在が大きいぞ?」


「ふふ!そう言ってくれると嬉しい・・・・うん、そうね?じゃあ早速今晩頑張ってね?」


ナニを頑張るんだか・・・・?


「あ、よかった・・・・やっと・・・・完成・・・・私は直接関われなかったけれど・・・・」


そういうイベッテだが、そんな事はない。職人の手配、機械、道具、消耗品の手配等、彼女が一手に引き受けてくれてたからな。

彼女が居なければここまで速く出来上がったかどうか・・・・



「いや、人や物の手配は、イベッテが居なかったらできなかっただろう?裏方に徹するのはなかなか大変だっただろう?しかも子育てしながらなんだから。」


「そう言ってくれると嬉しいな?あ・・・・そうね・・・・そろそろこの子に弟か妹が欲しいかな?」


・・・・善処します。


「私は・・・・殆ど服にはかかわってないけど、おめでとう・・・・」



そういうシビルだが、そんな事はない。


服のデザインに必要な、色を付ける作業に、彼女のスキルが大いに役に立った。

彼女の調薬スキル等で、布に鮮やかな色を染め、糸に新たな命を吹き込む・・・・


「何を言ってるんだ、シビル。君のおかげで布が綺麗な色をしているんじゃないか・・・・・あの色が無ければ、佐和もあそこまでいいデザインできなかったんだから。」


「そうか・・・・私も役立ったのか。あ、そうだな・・・・そろそろ私も子が・・・・”イベッテから融通してもらった睾丸で・・・・”欲しい・・・・」


何か怪しかったが・・・・?


あれ?俺って金だけしか協力してなくね?

一番役に立ってなかったのって、俺?やべえ・・・・金だけとか・・・・

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