第274話 工場が完成していた。
俺は、神獣達に道の造成を任せ、ティンドールの工場へ来ている。
遂に完成したからだ。
工場以外の建物もほぼ完成。
今は中に入れる家具や、キッチンなどの・・・・この世界仕様の魔道具・・・・必要なものを据え付け中だ。
そして、工場が完成し、今は工場の中に用意をしてあった機械を設置している。
こちらは御国台のメンバーが中心になってやっている。
そして、随時働く仲間が増えている。
多いのが、元?冒険者だ。
金を稼ぐ手段がなく、泣く泣く冒険者になった人達が多数いる訳で。
こうして働く場があれば、無理して危険な冒険者にならずに済んだ人達が、此処に大挙して働く場を求めやってくる。
近隣の町や村からもどんどんくる。
どうやって話を聞いたんだ?
そして・・・・想定外の出来事・・・・寮が足りないのだ。
働き手は欲しいが、こちらが想定した以上のペースで人がやってくる。
どうやって募集してるんだ?内容が気になるぞ?
1000人分の住居を用意した訳だが、あっという間に埋まる。
仕方が無いので、更に寮を建てる。
寮以外にも、家族向けの建物も建築する。
そして・・・・苦渋の決断として、足りない住居は、一部屋あたり、倍の人に住んでもらう事にした。
優先的に、親兄弟、親戚には一緒に住んでもらう事に。
そして、友人、仲間で来た連中にも可能な限り同居してもらう。
一時的な措置だが・・・・そのうちの一人が、感謝して俺に話しかけてきたので、話を聞くと・・・・
部屋代は3年只・・・・と聞いてきたのだとか。なに?聞いてないぞ?
それはクランのメンバーの話じゃないか?誰だ?こんな事を広めたのは?
彼方此方男女年来も広く聞いてみるが、皆一様に3年只と聞いてきたという。
まじかよ・・・・
そして、この中に農業経験者・・・・つまり、農家の3男坊4男坊、娘・・・・親に面倒を見て貰えない人々に、
新しい領地への農業をしてほしいと打診したところ、条件次第でやってくれるらしく、今後の話し次第では、早速領地へ向かってもらう事に。
人間、慣れた仕事が一番だからな。
農家出身者も、好き好んで此処にやってきたわけじゃなく、生きるため仕方なく・・・・だから。
だが、周辺の町や村からこんなに人が集まっていいのだろうか?
そう思ったが、ティンドールとその周辺を収めるバカ伯爵・・・・じゃない、
プラシド・ネグロン・イ・ゴディネス伯爵に聞いてみると、意外な事に問題ないらしい。
むしろ歓迎したいとの事。
結局行き場のない、しかし腕がある、仕事ができる、こういった農家出身者や職人の弟子で、独立できなかった連中は、かなりの確率で冒険者になるか、追剥や盗賊になるらしい。
そして、それらの行き着く先は・・・・冒険者なら、成功者はほんの一握り、殆どは途中で死んでしまうんだとか。
追剥や盗賊はもっと悪い。
ろくに奪えないうえに、一度犯罪を犯せば、国から討伐隊が組織され、運が良ければ奴隷落ち、大抵はその場で打ち首・・・・
こうならない為に国や地方領主は色々打開策を考えるが、決定打が無く、現在に至るらしい。
なので、新たな領地や、俺のようにかなりの人数の働く場を提供してくれるのは、非常にありがたいそうだ。
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