第272話 国からの指示で用水路の確保

用水路がどういった展開になるのか、実は俺は知らない。


道を一直線に作る事にした後、国からの指示で、道の両脇に幅1メートル以上の溝を左右に掘っておいてほしい、との要請だった。



この辺りは俺はできるか分からなかったので、ミシェレが話をしていたようだ。


結果は御覧の通り・・・・しかし、これ柵とか作るんだろうか?

道から落ちたら、深い溝だから大怪我するぞ?


溝を掘ってと言うか、溝になる部分も含め、土魔法で一緒くたに地面をかき混ぜ?細かく砕いて、土を・・・・溝になる部分からごっそり土砂を道に盛り上げ、道を踏み固める・・・・


あれ?これよく考えたら、畑などの畝を作る感じじゃないか?


それがデカくなった感じの。


こうやって順調に道はできていった・・・・


そして一方、海は・・・・


【姫、よく無事にお戻りになられました!】


シーサーペントがオデットに声をかける。


【負けてテイムされただけだから・・・・そして、今回私の王子さまは、この海に港を希望しているから、港を作って差し上げるのよ。】


そう言うオデット。

だが、シーサーペントは納得しない。


【人間如きにこの周辺を明け渡すと申すのでございますか!?港なら、少し離れた場所にございましょう?何故ここに必要なのでしょうか?】


【ここは王子さまの領地になったの。だから、ここに港が欲しいみたいなのね。だから、協力して?】


一生懸命説得するオデット。


【それだけはできませぬ。どうしてもと言われるのならば、この老骨、骨となってでも阻止いたしまする。】


【そう・・・・どうしても駄目なのね・・・・あなたではすぐにでも負けるでしょう・・・・それでも?】


【我が一族の誇りにかけて、死ぬと分かっておっても挑まねばならぬのです。どうかお許しを・・・・】


どうやら海の魔物には歓迎されていないようだ・・・・


・・・・

・・・

・・



数日後、俺は様子を見に海にやってきた・・・・


そして、そこには一人?で港を整備しようと頑張っているオデットと、俺を睨んでいるシーサーペントの姿があった・・・・


【王子さま・・・・その・・・・ごめんね?説得に失敗しちゃって・・・・シーサーペントのじいが、どうしても勝負がしたいって・・・・】


「えっと・・・・何で?」


【海に住む者として、陸に住む者には負ける訳にはいかぬのじゃ!】


「俺何かした?」


【其方個人に恨みはない。そして、儂を仕留めたのちは、他のシーサーペントは其方に従うであろう・・・・そして・・・・儂を殺しても、恨みはせぬ。】


・・・・死にたいんじゃないのか、この・・・・じいさんなのか?見た目分からんが?


【そういう訳でその・・・・じいの最後の花道を・・・・お願いします・・・・】


・・・・とんでもない事をお願いされたぞ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る