第259話 ミシェレ・マフダレーナ・アルデホンダ・フェルヘイ

ミシェレ・マフダレーナ・アルデホンダ・フェルヘイ


これがベヒモスの・・・・だった?女性の名前らしい。長い・・・・ミシェレでいいよな。


【二本足で歩くのって難しい・・・・】


初めて人の姿になったベヒモスことミシェレは、人の姿に手こずっていた。


見た目は30歳前後の色気むんむんの女性。もう俺のドストライク。


なのに、服を着ようとしないわ、動きがぎこちないわで、なかなか手間取った。


だがそこは神獣。

15分ほどで動きは自然に、服はまあ・・・・慣れてきたようだ。


そして、想定外だったのは・・・彼女は動きが遅かった・・・・


元々ベヒモス。デカい体で、のしのっしと歩くのが常で、あまり全力で走らなかったらしい。


走ると・・・・体が重すぎて、なかなか止まれないそうだ。


まあ、急いではいないので、彼女のペースで進む。


そうは言っても、普通の速度ではない。

あくまで、俺達に比べて、動きが遅いのであって、普通の人に比べれば十分速いのだ。


出発して数時間、ふと真上に気配がするので、上を見上げると、何時の間にやら上空に鳥が飛んでいた。


それを見たミシェレが一言、


「うわ・・・・いやな時に見つかっちゃったな・・・・」


何だ?



そう思っていると、その鳥がどんどん急降下してくる。


む・・・・あ、俺を狙ってるのか?


「来るぞ!皆散開しろ!」


俺が狙われているのを理解したのか、皆俺から離れる。


そして、俺がその鳥の・・・・急降下を受け止めようとすると、その鳥は・・・・デカい!何だこのデカさは!さっきのベヒモス並じゃないのか?


そう思っていたら、その鳥はそのまま俺に体当たり?頭からぶつかってきて、俺はまたしても地面にめり込んだ・・・・


またかよ・・・・


【ミシェレよ、人間の姿なぞになって、どうしたのだ?】


その鳥はミシェレに問いかける。


【ヨハン、私はこの人に負けたのよ。そしてテイムされ・・・・私のご主人さまなのよ。さらに言えば、もうすぐ結婚するのよ。】


【なん・・・・だ・・・・と!この弱っちいのが、お前に勝っただと?】

【あら?この前来てた人よ?ヨハンもすごい実力者だといって、警戒してたじゃない?】


【仕方なかろう。我より速く飛ぶものなど、フェニックス以外おらんはずなのに、あ奴の乗った船は儂をあっさりと追い越していきおったからのう。】


俺は地面にめり込んだまま話を聞く。

ミシェレの知り合いか?という事は・・・・こいつも神獣?


今度は手が使えたので、自力で地面から這い出す。


あああ、折角浄化したというのに、何でまた服が汚れなくちゃいけないんだ。

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