第194話 スキル”修復”

頭がボーっとする・・・・スキルを使いすぎたのか?

身体の力が入らないな・・・・


そう言えば・・・・壊れたのって馬車だよな?

馬は?どうした?


「なあ・・・壊れたの馬車だよな?引いてた馬はどうしたんだ?」


顔を見合わせる冒険者たち。


「ああ、逃げてった。」


・・・・じゃあ馬車直しても意味ないか・・・・


「誰か探しに行けよ・・・・」


俺の態度が変わったのを不審に思う冒険者たち。


「あ・・・・ああ。探しに行くよ・・・・」


男共は探しに行ったようだ・・・・チッ使えねえ奴らだな・・・・


そこにナビちゃんが割り込んでくる。


”マスターの判断力、及び思考力が著しく低下。一度休養を取る事をお勧めいたします。”


・・・・なんだよそれ?

まあいい・・・・どいつもこいつも使えねえなあ・・・・

後ワイバーンのドロップアイテムぐらい回収しろよ・・・・


俺は知らずに声に出していたのか、女性達が慌ててワイバーンの死体に向かう。

そうだ、それでいい。さて・・・馬車を直すか・・・・しかし邪魔だなあのデブ。

俺は商人を突き飛ばし、馬車の残骸を1か所に集める。

こんなもんか・・・・?

さて・・・・殆ど使った事が無いけど、直るのかこれ?


俺は勝手に馬車のイメージを想像し、残骸に手をかざす。後ろでひっくり返ってる商人が何か言ってるが無視だ。

シビルが心配そうに俺を見てるが、気にしない。


うーん・・・・木材が足りない?カバンにあったよな?


カバンから、以前倉庫?にあった木を何本か取り出し、スキルを発動させる。

ありゃ?何のスキル使ってるんだっけ?

馬車を作るんだっけ?もう訳が分からない・・・・


・・・・

・・・

・・



暫くしてそこには、立派な馬車があった。

積み荷が何か知らんが、諦めてもらおう。馬車があるだけましだろう。


俺は商人の元に向かう。

後ずさる商人。


「なあ・・・・馬車はあれでいいのか?」


驚く商人。もっと痩せろよ?


「あ・・・・あああ。いいというか・・・・いいのか?」


「壊れたのを直しただけだ、気にするな・・・・」


「そうじゃなくてだな・・・・以前のより数段立派になってるんだが・・・・」


「そうなのか?これじゃあ駄目だったか?作り直すの面倒なんだが・・・・」


「い・・・いえいえ滅相もない、頂けるなら有難く使わせてもらいますよ(積み荷は駄目になったが・・・・こんな馬車購入しようと思ったら金いくら掛かるか分からん・・・・差し引いても損はしないぞ?)。」


「そうか?そうならいい。お、馬が来たようだ。繋いどけよ。」


俺はそう言い、フラフラと歩きだす。

心配そうについてくるシビル。



”マスターの思考力さらに低下。精神に異常有。これ以上のスキル使用は危険!”


あっそう?


【ちょっとますたー?スキル使いすぎだよ?ボクの力が無かったら精神崩壊してるよ?】


そうなのか?それならそれでいいな・・・・早く寝たい・・・


「しもんさん?何か様子がおかしいですよ?」


遠慮がちに聞いてくるシビル。

お、いい女がいるじゃあないか?


「シビル・・・・お前・・・・綺麗だなあ?」


「え?どうしたんですか?しもんさん。」


俺の様子が異常だと気が付いたんだろう。


俺は・・・・妙にムラムラしてきて・・・・胸が無さげだがこの際問題ないだろう・・・・あれだけ整った顔してるんだ・・・・俺はシビルを抱きしめ、口づけをする。


!!!驚くシビル。

だけど・・・・あれ?抱き返してくるぞ?


そして・・・・離れるシビル。


「こんな所では嫌・・・・あの船を出してちょうだい・・・・」

船・・・・あの船か・・・・そうだなあ・・・・シビルと2人でしっぽりもいいかもな。


俺は船を出し、シビルと乗り込んだ。


「ロンダーヴ、後よろしく・・・・」



俺は早速シビルを抱きしめた・・・・

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