第152話 建物の中には・・・・?

建物の中に、意を決して突入する俺。

すぐ後ろからせつが付いてくる。

イベッテ、シビル、みつえが付いてくる。

みつえは入った所で、さわは入り口前で警戒。


そして、そこで俺が見たものは・・・・?


建物の中に横たわる、数多くの冒険者の成れの果てだった・・・・?


ああ・・・・・やはりこれは・・・・


「おい!生きてるか?」


へんじがない。

ただの しかばね のようだ。


「死んでねえよ!」



おっと、生きてたようだ。



「こんな所で何してるんだ?」


反応のあった冒険者に聞く。


「棺桶に片足突っ込んでる所だよ!」


・・・・なんだよ、死にかけてるんじゃねえか!


「みんな生きてるのか?」



不毛なやり取りになりそうなので、聞いてみる。



「ええ・・・・ここに居る全員、まだ生きてはいますが・・・・その・・・・食べ物と・・・・水・・・ありませんか・・・?もう一週間ほど・・・・ゲホッ!」


別の・・・・女性の冒険者がしゃべり始めるが、此処で力尽きたようだ。


「まだ死んでないし!」


突っ込んでくるあたり、大丈夫だろう。


俺はまず、水を出す。


殆どの奴らは動く事もできないほど衰弱しているので、順番に少しずつ飲ませていく。

ちなみに、経口補水液を飲ませている。


こういう時は普通の水を飲ませるより、よかったはず。


もう死にかけの顔をしていた冒険者だったが、少し顔色がよくなってきたようだ。


さて・・・こういう時は何を食べさせたらいいんだ?


日本じゃあ飢える事なかったからなあ。


お互い顔を見合わせるが、召喚組はやはり分からない様子。


体調不良の時、よくお粥を食べたけど、あれってどうなんだろうか?

梅干しか?あれ入れて食べさせれば・・・・塩も効いて、いいんじゃね?


早速道具を出して、お粥を炊き始める。


そういえば、スキルの料理と調理は何が違うんだ?


俺は調理、せつとみつえは料理、さわは両方持ってる。

正直違いが分からない・・・・


ここは・・・・さわに任せよう。

何故か張り切ってお粥を作るさわ。


俺達はそれぞれ、食材を用意し・・・・用意するのはもちろん俺・・・・せつとみつえは米を洗ったり・・・・はしないで、今回は無洗米を用意したから・・・・道具をセットしたり。


そして、野菜も色々出したんだけど、どうやら鍋を作るらしい。


因みに鍋は業務用のごつい奴。


燃料はちょっとパクってきたLPガス。

カバンに入ったから、ガスボンベを持ってきた。

そして、鋳物のコンロ。


こいつで一気に炊き上げる。


お粥が出来上がり、野菜は・・・もう原型がない。

ドロドロに溶けてる。さわが作ってたけど、どうやったんだ?

ほんのぽっちり肉も入れたけど、細かくして、噛まなくてもいいようにした。

兎に角栄養を取らないと、しかも胃が受け付けないといけないからと、胃に優しいのを作ってくれたようだ。


うーん・・・・俺が作るのって、時間はかかるけど、作業自体は簡単なやつばっかだったからなあ。


肉に塩コショウを振り、オーブンの低温調理とか。簡単お手軽ロースト。


後は、小麦粉砂糖塩ドライイースト混ぜて捏ねて、しばらく放置して焼くだけお手軽パン。

気分で平らにし、トッピングしてピザとか。うーん・・・・流石にこの状況では食べられないだろうな・・・・


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る