第126話 ダンジョンの存在

ここ王都の外れには、ダンジョンがあるらしい。

王都に冒険者が溢れているのは、このダンジョンの存在が大きいらしく、ある程度力をつけた冒険者が、より深層に挑んでいくのだとか。


しかし、最近ダンジョンに問題が発生しているらしい。


事の発端は数か月前。

通常いないはずの高位の魔物が、浅い階層に多数出現、冒険者が・・・・浅い階層を挑む冒険者はまだレベルが低く、突如出現した高位の魔物に悉く殺される事に。


通常高位の魔物は深層、つまり下の階層に居る。


そもそもダンジョンは、下の階層ほど魔素が濃く、力のある魔物ほど魔素が必要で、浅い階層では生きる事ができない。なので通常高位の魔物は浅い階層へはやってこない。


これを問題視したギルドが、高位の冒険者に討伐依頼を出すも、高位の冒険者も依頼を達成する事が出来なかった。

この中にはB級、A級のパーティも含まれ、名を馳せたクランも失敗。


これで済めばダンジョンの閉鎖で済むのだが、最近、魔物がダンジョンの外に出没するようになり、王都とダンジョンジの間にある主要な街道にも魔物が多数出没、商隊を襲い始め、王都の商いに支障をきたし始めているらしい。

軍を向かわせ、魔物を仕留めたが、少し時間を空けるとまた出現。

そして、昨日は遂に高位の魔物が街道に出現。

軍が壊滅状態に。


近くにいるS級冒険者にも緊急依頼が出されたが、S級冒険者の殆どは、ダンジョンのより深層をチャレンジ中で、この事を知らないらしく、軍もギルドもお手上げ状態。


そして、このタイミングで俺達が戻ってきた・・・・という事らしい。


うーん・・・・数か月前の出来事・・・・?怪しい・・・・あまりにもあの女神が怪しい・・・・


本当はかなり広範囲にやらかしたんじゃないのか?

『その確率はかなり高いでしょう。ロンダーヴ様がこちらの世界に顕在しているのも恐らく女神様のミス。今回も同じ様な時期なので、ほぼ間違いがないでしょう。』


何やらかしてくれてるんですか?


ダンジョンはミノタウロスや、オーガ、サイクロプス等の人型の魔物が多数存在し、人型以外の魔物の存在も確認されているとか。


そして、通常はミノタウロスはダンジョンの外には現れないそうで、報告では、ミノタウロスがダンジョン外で暴れているらしい。

明らかなイレギュラー・・・・ひょっとしたらスタンピードが発生しているのではないか、との未確認の報告もあるようだ。


そこで・・・・俺達に調査、出来れば事の鎮圧を、と。


マジですか・・・?


あ、これはあれだ、黒い奴、あいつらにやってもらおう。


「助っ人というか・・・・まず、クランメンバーに当たらせます。しばしお待ち下さい。」


俺が王太子にそう言うと、


「おい待て、往復で丸2日はかかるだろう。そこまで待てぬぞ。」


「あ、すぐ戻ってこられます・・・・。ちょっと先ほど購入した物件に行きますので、しばしお待ちを。」


俺は急いで、先ほど購入した物件へ戻り、ゲートでクランの拠点に向かった・・・・。


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