第114話 4人へのプレゼント

今5人で食事をしている。


昨日はどうしてただの、今日はどうするだのと言った話をしながら。


食事が終わり、ちょっとコーヒータイムなわけだが・・・・ここで俺はダガーを渡す事にした。特にイベッテは身を護るアイテムが必要だろうし、回復魔法が使えれば、万が一怪我しても自力で回復できるのはありがたいし、女性として浄化を使えるのはありがたいだろうから。

せつ達は微妙だな・・・・確か持ってなかったっけ?まあいいさ。


「あ、今日まで、と言うか昨日までは鍛冶をしにバルリエントス工房に行ってたわけだけど・・・そこでこんなのを作ってみた。」


そう言って各自の前に、それぞれ渡す予定のダガーを、俺の前には自前で使う予定のダガーを置く。


「今日、色々調整したんだけど、よかったら手に取ってみてくれないか?」


皆驚いたようだ。

特にイベッテの驚きようは・・・・


「本当に・・・・頂いてもよろしいのでしょうか?」


「え?嫌だったか?もしかしてアクセサリーの方が良かった?」


イベッテの反応がおかしい。大丈夫か?もしかしてやったらいけないミスをしちゃった?


そして、せつ達3人もひそひそ何話してる?


”ねえ・・・・これイベッテさんが言ってた・・・・”

”そうですわねえ?やはりこのタイミングですと、そう言う事かしら?”

”しもんさんってそういうの疎いと思ってたけど、ちゃんと調べてたんですね!”



何か聞こえるけど、何だ?


このままだとちょっと味気ないので、各自の剣を回収し、一振りずつ手渡しをする。


「イベッテ、これを受け取ってくれるかい?」


「もちろんです!一生大事にするね!ありがとう・・・・」


・・・・え?泣いちゃったよ?そこまで凄い物じゃないんだけどな・・・・?


「あーさわたちは、効果が微妙かもしれないけど、俺が初めて作ったんだ。一応持っといてくれないか?」


「あら?こういったのを作るの初めてでしたかあ?嬉しいわ!あ・・・・その・・・・私もう30超えてるからその・・・・なるべく早くお願いいたしますわ。」


・・・・?さわ、何言ってるの?30超えてるのはお互い様。で、何を早くしなくちゃいけないんだ?


「みつえにも・・・・これ、一応一人一人の名を彫ってあるんだよ。こんな小さなダガーだけど・・・・まあ、せめて包丁代わりに使ってよ。」


「しもんさんありがとう!私は背が高いから駄目かと思ってたのよ。でもイベッテさんの言う通り、希望を持っててよかった。」


「よく分からんが、喜んでくれてよかったよ、次は・・・・せつ。」


??何か微妙な言い回しだけど、ダガーを渡すのに、背の高さ関係ある?


「君にもこういったのを渡すのは初めてだよね。今までは・・・・必要なのを、既製品を、生きるために渡したけど・・・・今回はまあ、今後の為にその、受け取ってくれるとありがたい。」


「しもんさん・・・・感激です・・・・正直前重先生にはかなわないと思っていましたから、嬉しいです!」


うん?何がさわにかなわないんだ?


可也凄い事をやらかしたわけだけど、それに気が付いていない俺だった・・・・この後に、王太子が儀式と言っていた事をする時に発覚するのだが・・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る