第50話 安楽座 三津枝



最初にノックしたのは・・・・安楽座さんだった。


「え、何ステータスって?」


安楽座さんは興味が無かったのか、ステータスとか知らないようだ。


軽く説明すると、

「へーこの世界には、スキルとかステータスとかあるんだ?数値でわかるって、ある意味凄い。で、私のステータスみたいって、そんなに私の事が気になるの?」


・・・・そうは言っても安楽座さんは背が高い。俺よりも。

俺がもし好意を寄せても、自分より背が低ければ相手にもされないだろう。


「あ・・・・俺如きじゃあ安楽座さんとは釣り合わないよ。君の方がルックスいいしさ。」


「そんな事ない!もしかして私のほうが背が高いとか気にしてるの?」


「・・・・やっぱり背の低い男って駄目だよな?」


「全く気にして無い!私なら口田さん全然OKだよ?」


おふう・・・マジですか?いや、きっとこのまま突き放せば俺がどうにかなるのを分かってるんだろう。

ちょっとキツめだけど、根はやさしいからな、安楽座さんは。


「あ、それより、せっちゃんだけ名前呼び捨て!私も名前で呼んでいいよ?」


「マジですか?」


「マジマジ!」


「えっとじゃあ・・・・(いかん・・・下の名前なんだったっけ?思い出せ・・思い出せ・・・・ここで名前が出るか出ないか、運命の分かれ道だ!)」


そう思ったらそうだ、ここは画面を見ればわかるやん。

ごめん安楽座さん、俺こういう人間なんです。


<名前:安楽座 三津枝>


<種族:人間>


<年齢:18>


<性別:女の子>


< LV:8>


<職業:学生:冒険者>


<力 :E>


<体力 :E>


<知力 :B>


<精神力:B>


<俊敏 :C>


<魅力 :A>


<運  :E>


<保有スキル>


清掃・料理・裁縫・刺繍・音楽・採取・園芸・舞踊


<譲渡スキル>




<称号・賞罰:・冒険者・オークスレイヤー>


<所属>


パーティ”吹奏楽と口田”ランク F



クラン”御国台”    ランク F


・・・・うわ・・・凄い能力値だよ。魅力とかAだよ。知力Bとか・・・・


あ、名前出てるね。


「えっと・・・みっちゃんって言ってたよな、せつが。そう、安楽座さんの名前はみつえ、だよね?」


「・・・・うれしい!いつも苗字だったから。じゃ今度から口田さんの事はしもんさん、って呼ぶ。」


本当にうれしかったんだろう、無意識に抱きついていた。


座ってたからそんなに身長差が・・・・うーん・・・顔の高さもほぼ同じ・・・・脚の長さですかそうですか。


っと我に返ったのか

「キャッ!ししししもんさんごごごごめんなさいいい」


「こっちこそごめん、そしてありがとう!」


恥ずかしかったから、この場を脱出した。


・・・・もう少しだったのに。でもせっちゃんと先生がライバルだから、慎重にしないとね。しもんさん奥手っぽいし。


モテ期に気付かない俺。え?残念な人だって?余計なお世話だよ?

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