第23話 暗くなった

何だか見にくくなってきてると思ったら、いつの間にか夜になっていた。

月明かり?というかデカいな、地球で見る月より3倍ぐらい大きいのじゃないのかな?それに小さめのが2つほど見える。

仕方ないので、ヘッドライトを装備し、ホームセンターでゲットしたコー●マンのランタンを点灯させる。


それとどこのメーカーのだっけ?のランタンも。

明かりを確保したので、目の前のオークと戦闘を開始する。


今までの相手は鈍器だったけど、今回のオークは立派な剣を持っている。

剣を打ち合うけど、こっちは素人。多分レベルの差で、ごり押ししてるけど、あっちは動きがいい。

剣の腕では勝てそうにないので、また地面の石を拾って投げる。避けられたので、再び投げる。

今度は当たる。左肩が吹っ飛ぶ。

よろけるオーク。

一気に詰め寄り、剣で切りかかる。

咄嗟に受け止めようとしているけど、肩の痛みで思うように動けないみたいで、残っている右腕を切り飛ばす。

そのまま頭を叩き切る。


倒れるオーク。気が付けば、化け物は全滅していた。


ふと見ると、せつと安楽座さんは無事で、2人の足元には2体のオークが倒れていた。


オークコマンダーと、オークマーシャルと出てる。それなりに強かった?


「終わったよ。」

そう言って2人に近づく。


一瞬身構えた2人だったけど、僕と判ったのか安心したようだ。


「しもんさん、ありがとうございます。何とか私達2人で倒せました。」


「これから、こんなの相手にしないといけない?とんでもない場所ね・・・・」


それぞれが感想を言ったり、報告してくれてる。


そう思ってたら


”おめでとうミッションコンプリートだよやったね!”


と場違いな知らせが届く。

こいつ・・・・見つけたらただじゃ済まさないぞ。


”何を怒ってるのかな?そんなんじゃモテないゾ、後で成功報酬渡すわよ!それと他のメンバーのパワーレベリングは、してないね残念だけど、これは強制ミッションじゃないから失敗扱いにはしないからね!”


「・・・・もういいのか?もう疲れたよ、お前の相手するの。」


さて・・・・体育館か・・・・あと武道室だっけ?まだ生き残ってる人いるのだろうか?

そう思い、2人を連れて先ずは体育館へ。


う・・・・人だったものが散らばってる・・・・これは駄目っぽいな・・


体育館の入り口は空いてるし、中をのぞくと・・・・暗いけど、ヘッドライトの明かりが当たった所は、大惨事だった。

これはみんな死んでそうだな・・・


「おーい、誰かいるか?」

そう思って体育館の方に声をかけるが


返事がない。ただの屍のようだ。


とまああ、何かで見た事のありそうなセリフが、頭に浮かんできた。

結論から言うと、返事はなかった。

暗いので探さなかったけど、たぶん全滅。


次に武道室へ向かう。


動きのある物に出会わなかったけど、そこらでやはり、人だったものが落ちてる。

逃げてここで殺されたか、運ばれたか。


そして到着。

扉が閉まってる。それにこの付近に化け物共はいなさそう。

そして扉を開けようとしたけど、開かない。鍵かかってる?

扉をたたいて

「誰かいるのか?助けに来た!外の化け物は全部仕留めた。だから出てきてほしい。」


そう言ったら、中から声がした。

「本当にいないの?私達は助かったの?」


どうやら生きてるようだ。


「今どれだけ生きてるか、知らないけど、少なくとも音楽室の生徒は、何人か生きている。」


そして、ガチャッと音がして、そっと扉が開いていく。

そこに現れたのは、年の頃30歳ぐらいの妙齢の女性だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る