腕

腕

あなたの腕はとても素敵。

傷一つないその腕はまるで芸術品のように輝いて見える。

手と胴体の境目。

なぜ私はここまであなたの、あなたの体の腕に。

魅力を感じてしまうの？

形が素敵？　いいえ、ほかの人と違いは分からないわ。

浮き出る血管が男らしくて素敵？　いいえ、確かに素敵ではあるけどそこじゃない。

私はあなた自身を愛しているけど、どんなところを？　と聞かれたら「腕」と答えてしまいそう。

でもそんな事を言ってしまえば、おかしな人だとおもわれてしまう。

腕

「腕」

腕。

考えれば考えるほど、思えば思うほど、口に出せば出すほど。

愛しさが深まっていく感覚すら。

好き。

あなたを抱きしめるときも腕に抱きついてしまう。

一番に「あなた」を感じられるから好きなのかもしれない。

あぁ、今わかったわ。

私がなぜあなたの「腕」が好きなのか。

それはね……。

それは………………。

あなたの「腕」に包まれたときがこの世で一番幸せだからかもしれない……。