第27話 悪い子にはお仕置き
呪いを発動させたリリアの口調は、思いの
語尾に媚びるような響きがあるが、まともな思考力を保っているように感じられる。
「ふう……やっと表に出てこられたわぁ。こんばんは、エイジさん。はじめましてぇ」
やっと出てきた?
はじめまして?
いったいどういう意味だ?
「リリアの身体に
そう問うと、リリアの身体を乗っ取ったそれは、ぽかんとした表情を浮かべた。
一瞬の間をおいて、リリアは「きゃはははは!」と火が点いたかのように
「なにがおかしい!」
「あは、あはははっ! なにそれ! 呪いが人格を持ったのが、あたしってことぉ? 面白い推理だし、
リリアはそう言いながら、右手で俺の頬を、左手で腰のあたりを
「
面白がるような口調で、
「
「なんだと——」
さっきリリアは言っていた。「自分の中から声がする」と。俺は——そしてリリア自身も、それは呪いの効果だと思っていたが、間違っていたということか。
「あたし、いままでずっと
リリアの指が艶めかしく蠢き、俺の首筋や、足の付け根の部分を愛撫する。
「さぁ、早くあたしを抱いて。それが
「くっ……!」
リリアの指による愛撫に耐えながら、俺は急いで考えを巡らせていた。
俺はどうするべきだろうか?
表と裏、双方のリリアが言うことを総合すると、リリアは自分の性欲に上手く向き合えないことで、精神的な危機に陥っている。
俺がここで彼女を抱き、性的な満足感を与えてやれば、一時的に危機は回避されるかもしれない。
俺の本能は、リリアを抱きたがっている。
あの細く引き締まった美しい身体の奥に、自分をねじ込み、衝動を打ちつけ、欲望を炸裂させたい。いますぐにでも。
だが、俺の理性がそれを押しとどめる。
いまリリアを抱くことで、彼女の心を一時的に救えるかもしれない。
だがそれでいいのか? 何か違う気がする。こんな風に、なし崩し的に身体を重ねても長期的には良い結果を生まないのではないか?
たとえことに及ぶにしても、もっと信頼を育んだ上で、きちんと合意をもってやらなければ、今後しこりを残すことになるのではないか——リリアの心にも、俺の心にも。
「ねえぇ、エイジさんー! なんでずっと黙っているのぉ? 早くやりましょうよぉ。意気地無しじゃないんだった。あれ? もしかして、
悩み続ける俺に、リリアが責めるような口調で言う。
クソ、どうすればいいんだ……!
「
このとき、俺の脳裏に一つのアイデアが浮かんだ。
以前、たしか表のリリアが言っていた。彼女は、痛みや屈辱を快感に感じるのだと——
一か八かだが、この場を切り抜けられるかもしれない。
俺はリリアの両手首を
「あはっ! ついにその気になったのね!」
「ああ。やってやるとも。悪い子にはお仕置きが必要だ」
俺はリリアの手を持ったまま、ベッドに腰掛けた。
そして、油断していたリリアの背中に手をかけて体勢を崩し、左
リリアは「きゃっ!」と小さい悲鳴をあげた、その隙に、左手でリリアの右手を背中側に
「あらぁ! エイジさん、やるじゃない! そうかぁ、それをやるのね!」
リリアは、これから自分が受ける行為に期待を膨らませ、嬌声をあげた。
「いいわ、いいわ、いいわぁ! あたしのお尻を
「ちくしょう、分かったよ!」
こうなれば行くところまで行くまでだ。
覚悟を決め、俺は右手を大きく振りかぶり。
リリアの剥き出しの尻に向けて、全力で振り下ろした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます