欠片 -Dream fragment-

夢瀬_yumenose

第1話

――これからも僕達のこと、応援してください!今日はありがとう!!


僕は夢を見ていた。誰かと一緒にステージに立つ、そんな夢を。


「おはよう。広翔、遅かったわね。」

「おはよう母さん。....ってもうこんな時間か!」

時刻は朝の7時15分。いつもなら1時間前には目が覚めているはずだった。

「朝ごはん、もう出来てるわよ。」

「わり、今日は食べてる時間ないかも!」

「全くもう。寝坊するからじゃない!それなら早く準備してきなさい、今日は大事なテストの日でしょ!」

「分かってるよ。急いで支度してくる!」

急いで僕の部屋に戻り支度を始める。

「えーと...今日は3科目か...昨日は遅くまで勉強したから大丈夫だろ。...さて、と。そろそろ学校に向かわなくちゃな。」

そして急いで玄関に向かう。早く行かないと電車の時間に間に合わない。

「行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい。

遅刻しないようにしなさいよ?」

「分かってるって!んじゃ、行ってくる!」


駆け足で家を出た。しかし、家を出て4、5歩ほどで足が止まる。

足元に何かが落ちていたのだ。

「なんだこれ..?

見たことないはずなのに、何だか懐かしいような...。」

そこに転がっていたのは蒼く煌めく何かの''欠片''だった。

そしてその欠片を拾った僕は昨日の夢を思い出した。

「これ...もしかして昨日の夢で僕が着けてたネックレスの...宝石か...?」

きっと思い込みすぎだろう。そう思い、拾った欠片をポケットの中に入れ、駆け足で駅に向かった。

確かに僕は小さい頃からみんなの前で何かを披露したり、みんなを笑顔にしたりすることが好きだった。

昨日の夢は、みんなが笑顔で、僕も笑顔だった。


「もし、あの夢が現実になったら...なんて、ね。」


そう呟いた時。

さっき拾った欠片が眩く光り始めたのだ。

「な..なに..なんだよこれ....」



僕はここで意識がなくなった。

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