第37話
2人は、バスケットボールを手に持っていた。
「大地!これのルールを教えろ!」
青い長髪を束ねた海流は、大地に向かって大声で怒鳴った。
「呼び捨てにするな、『先生』と呼べ!」
大地が怒鳴り返すと、ツンツン尖った金髪の空蓮はもう一度、豪速球で大地にボールを投げつけた。
大地がひらりと避けたので、ボールは轟音を立てて壁に当たった。
「俺はルールを知らん」
壁には、大きな穴が開いていた。
「教えないとガッコウ辞めさせないからな!」
それを聞いたバスケ部出身の凌太が、二人に声をかけた。
「教えてやろうか?それのルール」
二人は目を輝かせた。
「教えて『リョータ』!」
「『凌太様』だ!」
凌太はボールを受け取ると、鮮やかなフォームでダンクシュートを決めた。
「…すげえ…!」
二人の目がきらきらと、輝いた。
「『凌太様』と呼べば教えてやる!」
二人の呼び方は変わらなかったが、凌太が教えると彼らはすぐに、バスケットのルールを習得した。
「あの子たち、もう凌太に懐いてる!」
4人でバスケをしている姿は、見ているこちらまでワクワクして来る。
「…みんな楽しそう!」
カッコ良過ぎて思わず、
未来の旦那様を、目で追ってしまう。
もし、大地が同じクラスだったら、
間違い無く人気者だっただろうな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます