第4話

 学校の友達に会えなくなった現状を、私は大地に話し始めた。


「ガッコウね。いいな、俺も行ってみたかった」


 気がかりな事が、いくつかある。


「ガッコウってさ、たくさん人が集まるの?…だから病気が伝染しちゃうのか」


 りっちゃんと凌太の様子がおかしかった事。

 あれは絶対、私に何かを隠していた。


「ああ、リツとリョータね、覚えてるよ。祭りの時にここで昔、みんなでかくれんぼした事、あっただろ。あの二人は隠れるの、うまかったな」


 紺野君に貸りていた本を、

 返しに行けないでいる事。


 …紺野君、連絡先知らないし!


「コンノ?…祭りの時も遊ばないで本ばっか読んでたヤツか!今もまだ、小枝みたいにほっそいの?」


 いちばん会って話したかった結月からはまだ、メールの返事が帰って来ない。


「何で?ユヅは一番仲いい友達だったろ?喧嘩でもしたのか?」


 結月はあと3日で、遠くへ引っ越してしまう。お父さんの仕事の都合で、家族全員で。


 私はそれを、一昨日いきなり本人から聞かされた。まだ学校がこんな形で終わるとは知らなかった時だ。


「私、ショックで結月に『どうして早く教えてくれなかったの?!』って怒っちゃって…。気まずくなっちゃったまま、会えなくなったの」



「色々ごちゃごちゃしてんだな、お前」



 大地は泣いている私の頭を、ぽんぽんと優しく撫でてくれた。




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