第4話
学校の友達に会えなくなった現状を、私は大地に話し始めた。
「ガッコウね。いいな、俺も行ってみたかった」
気がかりな事が、いくつかある。
「ガッコウってさ、たくさん人が集まるの?…だから病気が伝染しちゃうのか」
りっちゃんと凌太の様子がおかしかった事。
あれは絶対、私に何かを隠していた。
「ああ、リツとリョータね、覚えてるよ。祭りの時にここで昔、みんなでかくれんぼした事、あっただろ。あの二人は隠れるの、うまかったな」
紺野君に貸りていた本を、
返しに行けないでいる事。
…紺野君、連絡先知らないし!
「コンノ?…祭りの時も遊ばないで本ばっか読んでたヤツか!今もまだ、小枝みたいにほっそいの?」
いちばん会って話したかった結月からはまだ、メールの返事が帰って来ない。
「何で?ユヅは一番仲いい友達だったろ?喧嘩でもしたのか?」
結月はあと3日で、遠くへ引っ越してしまう。お父さんの仕事の都合で、家族全員で。
私はそれを、一昨日いきなり本人から聞かされた。まだ学校がこんな形で終わるとは知らなかった時だ。
「私、ショックで結月に『どうして早く教えてくれなかったの?!』って怒っちゃって…。気まずくなっちゃったまま、会えなくなったの」
「色々ごちゃごちゃしてんだな、お前」
大地は泣いている私の頭を、ぽんぽんと優しく撫でてくれた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます