第10話 お腹空いてない?

化粧直しに思ったより時間がかかり三時頃。

せつらさんは十一時半頃から並んで十二時ちょうどに入ったと言っていたのでお腹空かないのかなぁー大丈夫かしらと思いつつ私もお腹空いた、、、と上の空で手を洗っていたら、半袖にも関わらず腕や服が濡れてしまった。水圧強い…

タオルでふきふきしつつ待ってもらっている彼の方へ。

タオルでふきふきしていると「どうしたのっ」と少し驚き気味。たしかに驚くよねー…と自己解決しながら、「トイレの水道の水を飛び散らせてしまって、」と説明。

せつらさんがかばんのポケットから黒地に紫の刺繍が入ったハンカチを出してくださったのが嬉しかったけど申し訳なかったので「もう濡れてませんし涼しくていい感じです」と笑顔を見せると「そう?風邪引かないでね??」とどこまでも紳士的…。


お腹が空いた、と空腹感を紛らわせるため氷の入った水筒を取り出し氷をガリガリ。

「せつらさん、喉乾いていませんか?夏なので室内とはいえ飲んでくださいね」となんかうざいセリフを言ってしまった…。

「うん喉乾いてないけど飲んどくね、ありがとうっ」とコンビニのお茶のペットボトルを。


でまた一周。

正直に言うとこういうイベントは歩いているだけで楽しい。出展者さんとお話をしたり。名刺を頂いてみたり。興味のあるブースのお客さんに話しかけてみたりするのもまた一興。


ここで彼が「お腹空いたっ!」と少し声を張る。かわいい。。

「私もお腹鳴りそうです。ぎゅるる」と口で言ってみた。

「近くにイオンみたいなやつあるから行こっかー」とイベントにさようならを告げ日向の街に繰り出す。

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