くぐつ草

薄暗い


洞窟のような


喫茶店で


二人は慎ましく、語り合う


ただ、最良であるために。




なのに、


二人が持ってきた詩篇は


愛の詩篇智恵子抄


その意味がわかるようで


透明な何かに遮られた二人は


戸惑いを隠せない




なんのいたずらか、


二人は最良の伴侶を得たはずなのに


惹かれ合う二人は


互いに心の中に愛の天秤を揺らす


きっと


二人は最良の幸せを得たはずなのに


惹かれ合う二人は


更に最良の愛という破滅を知りたくなる



だけど


あなたのために


全てを捨てようと


映画のように行かないのは


お互いに正しさを持ち合わせたため。




二人は最良の伴侶を得たはずだから


惹かれ合う二人は


互いに


心の中に愛の


天秤を揺らすだけ

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