万華鏡

光 影


小さな世界で見た幾多の光

織りなす陰陽と

きらびやかに彩る人たち

三者三様に

我を

そなたを

世界を


近づくたび色を変えて

離れるたびに明滅しては

一人十色

ふれるたび姿を変えて

移ろうこと忘れもせずに

気づきもせずに


蒼天

歩みを止めて我を知らず

星辰(せいしん)

振り向けばそなたを知らず

白日

盲(めしい)たように世界が見えず



さんざめくかのように

交わり、混じり

彩り添える色を知らず

我を知れず

そなたも

世界も

幾重にも飾り逢うがゆえに




それは

さながら小さき筒の

万華鏡

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