【クトゥルフ神話TRPG】悪霊の家vs米国特殊部隊

桜田家族

卓のきっかけ

「なぁ、CoDとCoCって似てね?」


 誰が言ったかも覚えていないその一言。

 そのたった一言が、これから悪霊の家に襲い掛かる悲劇のトリガーだった。


 CoDとは、世界的な人気を誇るFPSゲーム……要は戦争ゲーム「Call of Duty」の略称である。

 また、CoCとは「Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声)」と略される、これまた世界的に人気を誇るコズミックホラー小説を元にしたTRPGゲームの事をここでは指していた。


「ならいっそ、その二つを混ぜてやってみる?」(笑)


 そう言ったのは他でも無い、これからラヴクラフトをはじめ世界各地に存在するクトゥルフ神話ファンや、今までCoCTRPGに関わってきた全ての人間に一生頭を上げる事が出来なくなる私、筆者自身だった。


「いいねぇ、じゃあ休憩終わったら次はそれで」(笑)


「あ、ならイギリス人?CoDってんならSAS(イギリス軍の特殊部隊)っしょ?」


「いや、ここはサンプルシナリオで行こっかな……もう作ってきたオリジナル全部やっちゃったし。 うーん……なら悪霊の家で、舞台は現代アメリカで!」


 そう言いながら私は多分、コーラを飲みながら片手間にルールブックの見慣れたサンプルシナリオを流し読みしていた事であろう。


「おっけー、じゃあデルタかな?いや、でもDEVGRUも捨てがたいし……」


「CIAもいいかもね、つうかクトゥルフでデルタって言うとデルタグリーン連想するわ」(笑)


「じゃあ俺女キャラやりたい、米軍なら女性ヘリパイロットとかいるし」


「いやいやいや、ここは皆やっぱ野郎で行こう!特攻野郎Aチーム的な」(笑)


 私の言葉を受けて、カラオケボックス内にいたプレイヤー達も各々キャラクターシートの作成に入っていた。

 会話の内容は覚えていないが、十中八九似たような事を口走りながら私達は面白おかしく今回のPC(プレイヤーキャラ)を作り上げたはずである。

 もしかすれば、私は「特殊部隊だから」と笑いながら初期の技能点からさらに追加点をあげていたかもしれない。いや絶対にあげている。


 なぜなら、キャラクターシートは全て紛失しているので細かい数値は分からないが、少なくとも戦闘技能は回避を含めて全員が大体99だった覚えがあるのだから。


 さようならコズミックホラー、ようこそタイタス・クロウ。

 コービット、せめてマイケル・ベイ監督の映画みたいにしてやるからな。

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