第4話 宿題。

 昨日はせっかくの土曜日なのに塾のテストだった。すんごい面倒だったけれど、意外とあっという間に終わった。


 うちの土曜日は、唯一消灯時間が決まっていないから、夜更かししてもいい日なんだ。


 昨日は11時半まで起きてた!

 

 しかも、夜にパパとお菓子をたっぷり買い込みにスーパーにも行った!


 パパとはゲームの取り合いになるし、怒るツボも分からないから嫌だなって思うこともあるんだけど、こういう時はママとは違って気が合う。


 いくらお菓子を食べても怒らないし!

 

 

 そして、日曜日は誰よりも早く僕は目が覚める。


 今日は昨日観れなかった「俺の話は〜」というドラマの録画を観た。このドラマは2回は必ず観る。みつるがおもしろいから。


 その後、ママが起きてきて朝ごはんを食べると、学校でやり残してきた版画を思い出した。


 僕の版画はクジャクを描いた。

 

 ママは絵とか作文が好きみたいで、テストで100点をとった時より褒めてくれる。


 先生には特に褒められなかったのに、変なの。


 僕の描いたクジャクに深緑で色を塗って、黒い台紙に擦りつけた。


 何だかイマイチの出来だ。


 それをママが見に来た。


 黒い台紙に黒っぽい色を使わない!だとかカラフルに!とか色々うるさい。


 でも、僕が見たクジャクの写真は深緑だったし、黒っぽかった。そんな事を言うとママがスマホの画像で黄色の入っているクジャクを見せてきた。


 そこまでされると仕方ないから黄色や黄緑を使った。そしたら、確かに黒い台紙に色が出来た。


 うるさいなーって、こんなことなら学校で終わらせるんだったって後悔したけれど、ほんの少しだけママの言うことを聞いて良かったと思った。


 ママの言うことって後になると、そう思う事が多い。


 あ、でも、ほんの少しだけだよ?

 

 あんまり言うと、ママは「ほらね」って、得意げになって、うるさい小言が増えるから言わないでおく。


 だって、ママの小言って終わりがないんだよ。

 よくあんなにしゃべれるなってくらいに。

 言われるこっちは参っちゃうよ。

 僕だってヒマじゃないのにさ。


 まぁ、半分は夜ご飯の事とかゲームの事を考えてるから、聞き流しちゃうけどね!


 

 あ、この話は内緒だからね。

 

 約束だよ。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る