ミレイの自伝
川野マグロ(マグローK)
ミレイの一日
私はミレイ。
ある日公園で遊んでいると何もないところでコケてしまったの。
すると突然自転車禁止の公園なのに自転車が迫ってきて、もう駄目だ。と諦めた次の瞬間。
大人の男の人が自転車から私を助けてくれたの。
運命だと思った。けど違った。
その人はユウキって言って、自転車の少年タカシの父親だった。
そう、子供がいたのだ。
でも、関係ない。
私にとってはユウキさんはヒーローってことと、子供がいることは関係ない。
私は、
「助けてもらった恩を返したい」
「お礼をしたいと言った」
と言った。
一度は断られたけれど、折れて二人が目指している病院へと案内ができることが決まった。
途中でコウキがなにか言っているように聞こえたが気のせいだろう。
私は病院へ案内した。
途中道に迷ったこともあったけど、たまたま通りがかったクラスメイトのタカシの力を借りて無事病院までたどり着くことができた。
タカシは病院まで連れて行ってくれるといったが流石にそれは断った。
「今は私が最後までやりたい」
と伝えどうにか帰ってもらった。
病院の入口には女性がいて気まずい空気が流れたのを感じた。
その女性とユウキさんがなにかの話し合いを始めた。
コウキが、
「先に行っておこう」
と言った。
癪だが時間がかかりそうなことは目に見えているため仕方なくコウキと共に目的の場所へ行った。
そこには、コウキのおばあちゃんがいた。
だが、入るべきではないと判断し私は外にいた。がコウキのおばあちゃんが私の存在に気づき入るよう促してくれた為病室に入った。
まるですべてを見通しているような雰囲気のおばあちゃんのトキコさんは、
「ここにコウキとユウキを連れてきてくれてありがとう」
と言った。
私には何がなんだかわからなかった。何故そこまでを理解しているのかが理解できなかった。
ただ、
「ユウキもここにつれてきて」
とだけ優しく語りかけてくれた。
病院の外へ戻ると会話は口論へと変わっていた。
私はそれを止めようとし、コウキとともにトキコさんの思いを伝えた。
すると、女性は激昂し、
「そんなはずはない!」
と、ものすごい形相で私に罵声を浴びせ始めた。
私は、化け物と遭遇したような恐怖とヒーローの手助けをしたいという安易な気持ちでここまで来たことへの後悔とで泣きながら全力でその場から逃げた。
だから、トキコさんとユウキさんが会うことができたのかはわからない。
そして、その後を知るのが怖くて今も病院の近くを通らないようにしている。
ミレイの自伝 川野マグロ(マグローK) @magurok
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