第17話 話し合い
オムツを替えてしばらくすると、赤ん坊はすやすや眠りはじめた。
オレはとりあえず、部屋の臭いが気になって、「このコをソファーに寝かせて、この部屋の換気をしよう」と提案した。
「あの女は?」と聞かれ、「帰ったよ」と話を合わせた。
ソファーに毛布を畳んでベッドを作り、新しいタオルで包んだ赤ん坊を抱き上げてソファーまで運び寝かせた。
「疲れたな」
「ん。ありがとね…」
「あれ、、いつまで預かるの?」
「ぇ…、だから、私が育てるからって」
「無理じゃない?」
「…。でも…」
下をむいて指先をこすりながら妻が言う
「ホールのビルんとこのトイレでね、あのコを見つけた時、私、思ったの。 この仔ネコは、子供のいない私に神様がくれたプレゼントなんだ…って。」
「それを言うなら待ってよ。あんたの誕生日に、オレが連れきたじゃん、猫を。」
「え?」
「そして、おまえがネコだって言ってるのは、人間の子だよね。」
「は? あんた頭おかしくなったの?それともふざけてるの?!」
「ふざけてないし、おかしくなってない。多分、」ため息が出たが続けて、極めて冷静に「おまえに見えている世界が、あべこべなんだよ」と、妻に現実を教えた。
妻は「意味わかんない…」と疲れ果てた顔でつぶやき、「私、お風呂に入りたい」と、浴室に行ってしまった。
オレはソファーに寝ている誰かの赤ん坊をのぞきこむ。一瞬、ネコに見えて瞬きをする。
よーくのぞくと、、それは、、
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