第13話 イケメンと乙女心

「今回のウイルスモンスターには遠距離攻撃が効かないぞ! 武器をビームサーベルに装備して接近戦だ!」

「はい!」

 初陣を渋谷のスクランブル交差点で飾った警視庁のウイルスバスターズ。今度は東京タワーに現れたウイルスモンスターと熱戦を繰り広げていた。

「や、やってやる! 俺がウイルスモンスターを倒して昇進するんだ! だあああああー! ギャアアアアアアー!」

 ウイルスモンスターの反撃にあいウイルスバスターズの隊員にも犠牲者が出る。

「この! ポケモンモドキが! でやあー! ギャアアアアアアー!」

 ポケモンの様な、ぬいぐるみ有望株のウイルスモンスターはウイルスバスターズの隊員よりも強かった。

「そうだ! このウイルスの化け物に触れていればウイルスに耐性ができるはず! きっとウイルス無効スキルまでたどり着けつはずだ! ギャアアアアアアー!」

 世の中はそんなに甘くない。ウイルス無効スキルを得るまで敵が待ってくれるはずがない。

「日本の警察って、おバカなの?」

 東京タワーの頂上に一人の少女がいた。

「面白そうだから、もう少し見ておこう。アハッ!」

 真理亜だ。

「ギャアー! ウワアー!」

 次々とウイルスバスターズの隊員がウイルスモンスターに襲われて壊滅状態になる。

「ヒカチュウ!」

 的なウイルスモンスターはカワイイぬいぐるみの様な姿なんですけどね。

「わああ!? 僕はもう死ぬんだ!? 殺される!? 助けて! お母さん!」

 一人のウイルスバスターズの隊員がウイルスモンスターに殺されようとしていた。

「おお! イケメン発見!」

 十代の乙女の真理亜は見た目の良いイケメンが大好きだった。

「先立つ不孝をお許しください! アーメン!」

 そう、今、殺されようとしているウイルスバスターズの隊員はイケメンだった。

「ヒカチュウ!」

 ウイルスモンスターがウイルスバスターズの隊員に襲い掛かる。

「待ちなさい!」

 二人の間に割って入り真理亜が瞬間移動で乱入する。

「お兄さん! 彼女はいますか?」

 これが真理亜の第一声。

「え?」

 呆気にとられるイケメン隊員。

「はあー!? 何を言っているんだ!? 女の子がこんな戦場に来ちゃダメだ!? 早く逃げるんだ!?」

 ビビりだが意外に正義感の強いイケメン隊員。

「お兄さんの答え次第であなたの生死が決まります。彼女はいますか?」

「い、いない。」

「やったー! なら、あなたを助けてあげましょう! アハッ!」

「はあー!? なんなんだ!?」

 訳の分からないイケメン隊員。

「くらえ! ウイルスモンスター! 私がウイルスを除菌する! 必殺! コロナ光線!」

「ギャアアアアアアー!」

 ビビビビビー! 真理亜の手から放たれたウイルスのワクチン入りの光線がウイルスモンスターを一撃で倒した。

「な、なんなんだ!? この子は!?」

 状況が理解できないイケメン隊員であった。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る