第6話 妹を助けたい

「妹を、楓をウイルスから助けたい!」

 ウイルスに感染した妹の楓を助けた姉の真理亜。

「私からウイルスの抗体を取り出しワクチンを作れば新型コロナウイルスは死滅する?」

「私はレアな突然変異であって、私の抗体はあなたたち姉妹の唯一無二の存在であって、他のウイルスには効かない。」

 新型コロナウイルスのコロナちゃんは、真理亜と楓の姉妹愛に感動して突然変異して、殺人ウイルスから生命のウイルスに突然変異したウイルス少女である。

「・・・・・・どこかに真理亜ちゃんと楓ちゃんの症状にあう抗体があるはずよ。それを探しましょう。」

 姉妹にあう抗体でワクチンを作れば、自分自身が消滅してしまう。悲しいので少し言葉に詰まったコロナちゃん。

(私は消えていい。だって真理亜ちゃんと楓ちゃんが好きだから。)

 それでもコロナちゃんは姉妹に助かってほしいと思う心優しい新型コロナウイルスであった。

「それに無理に抗体や薬で治療したりすると、ウイルスに感染した人間が突然変異でVMになってしまう。」

「VM?」

「ウイルスモンスターよ!」

「ウイルスモンスター!?」

 そこでテレビのニュースが流れる。

「臨時ニュースをお伝えします! 渋谷のスクランブル交差点で怪物が出ました!」

「なんですと!?」

 テレビの生放送には、街中でスライムやゴブリン、ウルフなどが町を壊し、人間を襲う暴れている映像が流される。

「これがウイルスモンスターよ! 新型コロナウイルスが突然変異を始めたんだわ!」

「どうするの!? こんなモンスターが街中にいたら危ないじゃない!?」

「危ないじゃなくて、みんな殺されちゃうよ! お姉ちゃん、少しズレてるよ!」

「アハッ!」

 困った時は笑って誤魔化す。

「逃げるわよ! 楓! 名誉ある撤退よ!」

「どこに逃げるの!? もう世界中ウイルスだらけだよ!?」

 ウイルスに汚染された世界に逃げ場はなかった。

「ウイルスモンスターと戦うことができるのは、真理亜ちゃんだけよ!」

「え? 私!?」

「真理亜ちゃんには私がついてる。あいつらに私のウイルスを流し込めば、ウイルスモンスターを倒せるわ。」

 突然変異したコロナちゃんのウイルスは、ウイルスモンスターに効くのだった。

「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!? 何を言ってるの!? 私は華奢な女の子なのよ!?」

 完全否定する真理亜。

「お姉ちゃん、がんばって。」

 楓は姉を純粋な瞳で見つめる。

「・・・・・・分かった。やってやろうじゃない! カワイイ妹のためだ! 私がウイルスを除菌する!」

 覚悟を決めた真理亜。

 つづく。

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