男同士が簡単にくっつくこの世界。

 現実的に考えて、男と男が恋愛するのはリスクがある。例えば相手がゲイだと確信がない時の告白は、あまりにハイリスク。

 でも昨今のBL漫画やBL小説は、そこら辺をぶっ飛ばして書いている作品がほとんどだ。


 ダメって言いたいわけじゃなく、だって私も好んで読んでいる。

 特に最近はファッションでもメイクでも芸術でも、とにかく「今から作っていく」という風潮が強い。新しい概念。男でも妊娠できるオメガバースなんかを見ていると、特にそう感じる。


 昔は、「今が、どうしてこんなことになったのか」というのを紐解いていく作品が多かったように思う。

 例えば最初に主人公が死んで、どうして死んでしまったのかを探求していく話とか、トラウマを抱えた同級生を救おうとしたら自分が強制的に変わってしまう話だとか。

 その頃の男性同士の愛の漫画は、ある意味で哲学的だった。



 Call me by ◯our nameは、三十年後には「モ◯リス・ア◯カン」というような立ち位置にいるだろう。しかしCall me by ◯our nameとモ◯リスの明らかに違う点は、同性愛をどれくらい問題視するかの違いにある。


 モ◯リスの時代背景では、同性愛は重罪。見つかれば裁判にかけられ、どんなに高い身分でも、同性愛者とバレればその後の一生はおじゃんになる。

 一方、Call me by ◯our nameでの同性愛の扱われ方は比較的ライトで、少年の純粋な恋心と現実の差が主題に置かれていた。


 後者もある程度リアルではあるが、モ◯リスを観ていた時の、「こいつ捕まるんじゃねえか」というハラハラ感は無い。

 主題をどこに置くのかということ。制作された年代のLGBTへの視線。何もかも違う中で、全く同じ作品はできっこない。比べるのもおこがましい。

 ただ、今の腐女子の多くは、好んでモ◯リスは観ないと思う。



 書いてたら、だんだんレポートみたいになってきてしまった。



 話は戻って、理由は二つある。

 一つは、禁断性の有無。今の腐女子は禁断性をあまり求めない傾向にあるが、今40代くらいの腐女子は禁断性に萌える傾向がある。

 二つ目に、ストーリーのリアルさ。ここまで同性愛やBLが一般的になってきた今では、昔の作品特有の「もどかしさ」〜キス一つでも涙が出るくらい嬉しい〜は求めてない人が多いかもしれない。



 人の好みは様々だし、私が書いたのはあくまで傾向の予想。

 でもできれば、禁断性に萌える方とは、お友達になりたい。


 以上。




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