大輝と少女
「お先に失礼します。お疲れ様でした! 」 そう言って愛華は厨房を後にして行った。 愛華が厨房を後にしてから1時間後
「お疲れ様でした。」そう言って大輝が厨房を後にして更衣室へ向かおうとしていると、「青山ちょっと来い。」 とまた店長に呼び出された。
「青山。お前川崎の事好きだろ? 」 なんの前触れもなく、大輝に言う。
「えっ どうしてですか? 」 大輝は少し戸惑いながら言う。 (えっ何故店長がそんな事を聞いてくるんだ、まさか俺がバイト中仕事に専念しなかったから、解雇するつもりなのか…、そもそも何故俺が愛華の事を好きって分かったんだ? そんなにバイト中見ていた…のか? と言うことは愛華にも店長と同じように気づかれているのか!? 嘘だろ… )
大輝の頭の中はパニック状態になっていた。色々な事を考えていると
「いや、今日お前川崎の事をバイト中結構見てたからな。 まさかとは思ったが図星か。」 店長が少し声を低くして言う。
「やばいやばいやばい 解雇…解雇される…」 大輝の頭の中ではバイト中によそ見をしていた為に解雇される と言うことしか頭に入って来なかった。 大輝は色々なバイトを掛け持ちしているが、その中でもとてもバイトをしていて楽しいと思えるバイト先だっただけにとてもショックを受けていたのである。 大輝のショックの気持ちは顔にも出ていた。
それを察した店長が 「まぁ高校生だし、恋愛も大切だが、バイト中はバイトに集中してくれ。バイト前や終わりは 存分に恋愛してくれて大丈夫だからな! 」 店長は大輝を元気づけるように言う。
「まだ恋愛なんてしてないですよ! 後僕には勉強がありますので!」大輝は少し強めの口調ながらも笑みを浮かべながら店長に言った と同時に「解雇されなくて良かったぁ! 」と心の底から思ったのである。
「はぁ、今日はいつも以上に疲れたなぁ。 」 そう言いながら大輝はバイト先のファミレスを後にする。寒々とした風が大輝の体に突き刺さるように吹いている。
「今日も疲れたなぁ。」そう言って大輝は風呂の準備を始めた。時計は8時30分を示している。今日は帰りに吹いていた風により、大輝の体には砂埃などが服や体に付着していた。
入浴と夕食を済まし、大輝は勉強机を前に椅子に腰を掛ける、そしてスマホで電話をかけ始めた。もちろん相手は京介である。
「もしもし、今日もよろしく」
「おう」 そう言って2人は勉強を始めた。
「そろそろ今日はやめよう。 」
「了解、なら今日はこの辺でやめるか、大輝今日疲れてない? 」と京介に聞かれたので、今日バイトであった話を全て京介に話した。
「おぉ それは大変だったな。 そういえば『俺たちの街』のアニメ見たよ。」
「おぉ!どうだった? 」
「全体的に面白かったよ。 アニメも良かったから今度原作を読んでみたいんだけど、大輝持ってたよね? 良ければ貸してくれない? 」
「もちろん! 原作も読んだら今度2人で語り合おうぜ(笑)」
「それは気が向いたらな(笑)」
「うん、じゃあお疲れ様。またよろしく! 」
「おう、お疲れ様。」 そう京介が言った後大輝は通話を切る。
はぁ明日も朝から塾があるし、今日はもう寝るか。そう言いながら大輝はベッドに寝転がる。
12月25日午前9時45分
「はぁ、また少し寝坊してしまった…。 」そう言いながら大輝は体を起こし、塾に行く身支度を整える。 身支度が終わり大輝は自転車に乗り塾に向けて走りだす。
自転車を走らせていると今日はゴミがそこらじゅうに落ちている。 「はぁゴミまみれだな…。 」大輝はそう言葉を漏らしながら自転車を進める。
塾に到着して、いつも通り自分の席に行き、授業を受ける為の準備をしていると、愛華が教室に来て、大輝の方をチラッと見て自分の席に座る。 愛華が自分の前の席に座った後も授業の準備をしていると ふと大輝は1つ疑問に思った。「あれ 愛華って俺より学年1つ下だよな? なのに何故自分と同じクラスにいるんだ。 まさか… 」 そう思いながら大輝は授業が始まるのを待った。
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