第4話 むしけら

「もう、うぶちゃんってば……」

「ごみんごみん」


 きらりが少し拗ね気味に言うが、まったく申し訳なく無さそうに謝るうぶ。


「まぁそれはともかく、そんなに行きにくいなら私もついていってやるぞ」

「うぶちゃん……!」


 きらりは目を輝かせる。

 「じゃあ決まりだな」と天文部のブースに行こうとするうぶの後に、きらりも続こうとするがハッとして踏みとどまった。


「ん、どうしたーきらり?」


 うぶが尋ねると、きらりは手で顔を覆い隠す。


「よく考えたらうぶちゃんが一緒にいても、私の存在価値は虫けらのまんまだから行けなかったよぉ!」

「自己肯定感っ!」

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