あぁ、アリス

あおいひと帝

第1話

 雨上がりの公園。タバコに火をつけて一服しようとした瞬間に奪われた挙句、水溜りに放り込まれた。こんなことは世の喫煙者は黙っていないだろう。わしだってその1人だ。もしそんな事をした奴がタイプの女でなければぶん殴っている。ちなみにわし椿ケイはわしという一人称を使っているがまだ21になったばかりだしタイプの女は韓国系のエロい女だ。話を戻そう。

 こんなわけのわからない自己紹介をしてしまうくらい脳の処理が追いついていない。こんな事をされるなんて1ミリも考えていないしそれが綺麗な女ときたもんだ。わしはどこぞの石像かというくらい固まってしまった。

「ねえ、着いてきてよ」その女はそう話してきた。なんだ?これが逆ナンってやつか?さらに混乱した頭からでた言葉は「ま、任しとけ!?」だった。まったく、わしはやはりこういう男なのか。もし英国紳士とでもわしのことを思っている人がいれば諦めてほしい。 

 そんなことを思っていると、「話が早いわ。わたしはアリス。さあ、あの場所へ急ぎましょう。時間がないの」と言ってきた。急にアリスと名乗ったこの女。いくら名前が分かってもこの状況が変わるわけでないと思いつつ「アリスって名前か。いいな」そう考えてしまうのがわしである。だがこの気持ちは変わらない。いったいなんなんだこの女は…。

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