人数が揃えば、模擬試合が始められる、今でこそ出来ることだが朝日先輩が一年の頃は、一人できっとつまらない練習だっただろう…
そう考えるとやっぱり、朝練を続けてきた事はなみの努力ではなかったんじゃないかと思う。
次の日。
朝目をさます。
「あれ?目覚ましなる前に起きちゃった。」
僕は、何時もどおり顔を洗い、パンをほおばり家を出た。
始発に乗っていると、一緒に乗り合わせる乗客の顔を直ぐに覚えてしまう、そもそも人数が少ないから。
家を出て暫く歩くと、こんなに朝早いのにビッシっと決まったスーツ姿のサラリーマンと駅に向かうことになる。
家でパンを食べれなかった時は、コンビニによるのだが、このサラリーマンの人に追い付くように走れば始発に間に合う、逆に追い付けなかった時は、始発に乗り遅れてしまうということになる。
僕の最寄り駅は各駅停車しか止まらない小さな駅だが、ホームには後五人ほど始発を待っている人がいる。
僕は、一番前の車両に乗るのだがこの人たちは、前には乗らないので、一人でポツンと始発を待っていた。
たまに、同じクラスの田崎が乗っている時がある、多分二三個前の駅からだろう。
同じ制服を着た二人だけで、一両目は貸し切り状態だった、揺れる電車に乗りながら横を見れば、二両目三両目が見えポツリと人が見える。
「田崎、早いな。」
「ああ。」
「部活か?」
「いや、村上は朝練だろ?
俺は、宿題を見せてもらうために、早起きして学校に行ってるんだ。」
「本当か?」
「ああ、そのために九時には寝てるからな。」
「わざわざ早起きして始発に乗るなら自分でした方がいいんじゃないか?」
「さあな、ひとそれぞれ向き不向きがあるんだよ、自分ですると夜中までかかって、寝坊しちゃうんだ。」
「そうか…」
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