開かずの間
ピンポーン。
「ア、明美?
開いてるから入って。」
「お邪魔しまーす。」
明美は玄関で靴をそろえて、近くにあるスリッパを履いた。
「よーうーこー?」
階段の上から洋子が手招きする。
ギー、ギー明美はゆっくり階段を上がった。
「ごめんね、バタバタしてて、そこの部屋だから入ってて、私はお茶とか持ってくるから。」
洋子はバタバタと階段を降りた。
「あー、お構い無く。」
明美は言われた部屋の前に立っていた。
「どうしょう……何かドアの真ん中の一番下に小さな扉があるんだけど。」
明美がぼんやりしてると、洋子がお盆にジュースとお菓子を持って上がって来た。
「明美何してるの?私入るよ自動で閉まちゃうからね。」
洋子は足で器用にドアを開けて入った、横にスライドさせるドアで何故か閉まってしまった、多分斜めになっているのだろう。
「明美ーはやくー。」
明美は好奇心に勝てず、下の小さなドアに手を伸ばした。
まるで生き物の様にドアは上へとスライドして消えた。
「開かずの間………逃げられたら開けれないわ。」
その時、ドアがひとりでに開いた。
「何してるの明美入んな。」
明美は洋子に手を引っ張られ部屋に入った。
もちろん小さなドアの事は話さない。
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