プロローグ ~ダークサイド~
「これは、こんな計画正気だとは思えません!」
「そうです! これじゃクルイどもとやってること一緒じゃないですか!」
「言うな。これが命令なんだ」
「しかし!」
「ニュースを見ただろ。現政権は度重なるスキャンダルでボロボロだ。それに選挙も近い。だが今さえ乗り越えられたら何とでもなる」
「なりませんよ! これの半分も実現したら今のスキャンダルどころじゃないですよ!」
「そうです! あっちは言っても金の話、だけどこちらは命がかかってる!」
「あぁそうだ。確実に悪化だ。だがこれが命令だ。それに、従うのが我々なんだ」
「……所詮は、政府の犬ってことですか」
「俺だって、これが正義とも、大義とも思わん。だが、僅かな慰めに、これがだめなら上はプランBに移行する」
「B? これ以上何ができるってんです」
「Bは、戦争だ。それも小競り合いでない、教科書にデカデカと載るようなのを、だ」
「そんなバカな!」
「あくまでその可能性があるだけだ。Bは軍部の担当、そこの連中からやんわりと臭わされただけで、断言はできん。だが戦時下でならどんな政党であっても国民は団結する。少なくとも上はそう思ってる」
「……今の国際情勢、敵はいくらでもいますからね」
「それに比べたら、そう割り切れ。責任は俺がとる。その上で命令だ。プランAを直ちに実行せよ。逆らうことは、しないでくれ……」
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