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「この世界では私たちは永遠の命を手に入れているのです。私とフユは、この新世界の中で、二人だけで、永遠に生きていくことができます」とコスモスはフユの目を見ながら、そう言った。

「永遠の命……?」

 フユは最初、コスモスの言ってる言葉の意味がよく理解できなかった。

 永遠の命? それは死ぬことがないということ。この新世界の中で、コスモスと二人だけで、僕は、ずっと死ぬこともなく永遠に生きていく……?

「……そんなことはない。永遠の命なんてこの世界に存在していないよ。コスモス、冗談を言っているの?」フユはわざとらしく、少しふざけた感じでコスモスに言う。

「いいえ。違います。冗談ではありません。確かに旧世界には永遠の命は存在していませんでした。それは確かに夢物語でした。でも、ここでは違います。私たちが今、存在しているのは新世界なんです。新世界の中では夢でも幻でもなくて、本当に永遠の命が存在します。……ただ」

「ただ? なに?」

「一つだけ条件があります。それはあの、今私たちが出てきた『壁の向こう側』に行こうとはしないことです」

「壁の向こう側?」

 フユは振り返って、世界を二つに分ける巨大な黒く禍々しい壁をじっと見つめた。

 そこには確かに壁があった。

 でも、今、フユの目に見えるその壁は、フユのよく知っているあの壁とは、まるで違う別の壁に、いつの間にか変化していた。

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