異法怨鎖
路地裏に象がいた
きっとここは現実のままで
誰一人として生きてはいない
脱出路は背中に無く
活路は前進を許さない
醜くも足掻くその姿を
かつて人々は芸術と呼んだ
どんな苦痛を強いるとも
それでも生きろと皆叫ぶ
盤面を返す勇気も持たぬままに
虐げられる子供達が
彼らの視界に映らないのなら
それを平和と名付けて
今日も笑うだろう
無価値な使命を差し出すくらいなら
それを弾圧と見做して
今日も怒るだろう
繰り返し、繰り返し、繰り返す生命
消えてゆく、枯れてゆく、朽ちてゆく文明
路地裏に神がいた
きっとここは夢の彼方で
誰一人として信じていない
魂はこの心臓に無く
瞳の底は
沈黙を守り死にゆく影を
かつて人々は愚行と呼んだ
結果こそが全てであり
自らにおいては過程を重んずる
その矛盾を解決しないままに
その選択が誰かの悲劇でも
彼らの空が晴れ渡るのなら
それを
今日も走るだろう
見知らぬ者を想う心を捨てなければ
それを慢心と見做して
今日も踏み荒らすだろう
虐げられる子供達が
彼らの視界に映ろうとも
それを偽善と名付けて
石を投げるだろう
無価値な持論を棄てるくらいなら
それを
唾を吐くだろう
今日も笑うだろう
今日も怒るだろう
いつか嘆くだろうか
明日にも尽きるだろうか
何故、僕らは生きてしまうのだろうか。
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