もう一つの記録

恠星夜空

第0話 プロローグ

 こんにちは、こんばんは、おはようかな?

 ***です。

 あれっなにこれ名乗らせてくれないの?

 *は…って一人称もだめなの?まぁいいや、客観的に話してくわ。



 これから君たちに観てもらう話は、多分、君たちの世界とは大きく違ってるからさ、先に知ってもらったほうがわかりやすいかなって思って。

 現代っちゃ現代なんだけど…君らの言う江戸時代の延長だと思ってほしいな。こっちは室町ぐらいからズレてったんだよね。


 一番の違いが、この国にだけ存在する能力、空間術くうかんじゅつってのが存在するんだ。

 簡単にいうと、ヒトそれぞれ四次元的な空間を保有してて、あらゆるところでモノの出し入れが出来るってかんじ。でも保有者って全体の1%にも満たないみたいだからなんとも微妙な話だよね。

 だから一般的には空間術ってのは架空のモノとされてる。これにはもういっこ訳があって、空間術は不吉の象徴らしい。基本は遺伝で能力を引き継ぐんだけど、突発的に能力持ちが産まれたりするとまぁ、いろいろとね、あったんです。昔は。見えも触れもしないのによく騒ぐよ、ねぇ。逆にどこで空間術を知ったんだかって感じだけど。でもまぁ実際結構ハードな人生送ってる子多いからあながち間違ってないのかな、やだなぁ。


 遺伝してる場合は名前を変えて家業的なモノにしてるトコもあるよ。浮国宮とか。あっこれはそうね、そっちで言う名古屋周辺の地域。これは後で話すね。浮国宮はね、8の家が集まってるんだけど、覇権的な争いのし方が空間術使ってんだよね。一番強いヤツが政権握ってる。六宮ってのがめちゃめちゃ強いんだとさ。あんまりよく知らないけど。10年に1度戦うらしいよ。


 …そうじゃなくて、話を戻そう。


 不吉の象徴だからあんま一般人には見えないように、保有者同士でしか見えない・触れないを念じればできるからそうしてるんだけど、まぁ気味悪いよな。偉いヒトの管理下に置かれてた時期もある。それでまぁ、海外のクニからいろいろちょっかいかけられた時に術の出番よ。得体のしれない力で脅して平和を保ってたわけ。

 その後術者が反乱的なのをおこして術の知識がある一般人はほぼ消されて、伝説みたいな言い伝えで残っちゃったってわけよ。


 今は政府の一部に空間術者が紛れ込んでて、空間術による犯罪だとか、その他諸々を管轄してる組織があって平和な感じ。

 政府って言ってもね、これもいろいろあって地域ごとで全然文化が違うんだよ。自治区って別れてて、統括されてない。変な歴史たどってるとこもあるねー。普通に栄えてるのは中央地区。ここは江戸の頃からの名残だね。そっちで言うに東京?さっき言った浮国宮は独自の文化で海外の交流も多かったから一番そっちと似てるかもしれない。関西の方にも自治区あるんだけど、ここめちゃくちゃ内部で完結してるからあんま詳しいことわかんないな…。他のとこも追々話すね。


 前置きとして必要なのはこのくらいかな。必要になったらまた出てくるよ。*が干渉できるのもそろそろ時間が限界。


 それじゃあ、またね。

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