孤人属

よだか

つらつらと思うのだ。

 世の中に“平等”なんて ないよな。

 もっといえば“同じ”なんてものも幻想だよな。


 「人は皆わかり合える」なんて お綺麗な言葉

 御伽噺のような夢物語

 だから いつぞやの人間の言葉は好きだ。

 「人はわかり合えることはできません。但し、歩み寄ることはできます」

 わかり合えないことを前提に 他者を思うことができるなら

 それは“平和”な世界を描くことができる気がする。


 結局、世の中の物差しなんて 個別なのに。

 多数決とるわけじゃないのに 大勢に乗っていれば安全で。


 「個性は大事です」なんて 寛大な言葉

 冷笑しか浮かばないようなおためごかし

 でもさ それは願いなのかもしれないなって思うんだ。

 「ただ、否定されずに当たり前に生きたいだけ」

 そんな願いがどんどん難しい 色々、それでいいじゃないか

 願うほどに遠くなる“理想”は夢にすらならない。


 “安心”したいよな。

 ちょっとくらい守られたいよな。


 だからカテゴリーが提示されて該当するとうれしいよな。

 社会に居場所ができたような 錯覚。浮足立つのはそれほど不安だったから。

 「だから特別扱いしてほしいの?」 「言われているのと違うけど?」

 ……ほらな、今度は別の問題発生だ。

 カテゴライズされない限り見ようともしなかったくせに、

 見たと思ったら その枠にはめ込んで はまらなければまた排斥だ。

 

 「アイツ そういう奴だもんね」

 それだけでいいんだけどな。


 理解できないことは山ほどある。当然だ。他人なんだから。

 限りなく近いことを“同じ”と称して 繋がって絆を深めて。

 独りじゃないから頑張れる反面、理解しなくていいから否定しないでくれって

 いつも思っている。きっと誰もがさ。

 わからないことを否定して、攻撃して、優位に立って、安定を錯覚してる。

 それがひっくり返ったらどうなるんだか、どこかでわかっているだろうに。


 全部なくなってしまえばいい。

 誰にも逢いたくない。


 逃げたくもなるよなって思うんだ。しんどいとき、あるだろ。

 もっと頑張れなんて、あなたはまだマシなんて、言うなよ。

 その時しんどい苦しい気持ちが他人にわかるはずなんてないんだ。

 ましてや、勝手な物差しで決めつけられることでもないんだ。

 「地獄への道は善意でできているんですよ。」

 悪意を持たない善意が何よりも追い詰めることがある。

 ……一体、どこにあるんだろうな。平和な世界って。


 この世に“絶対”なんてないよな。

 もっといえば“永遠”なんて理想論だよな。


 それでも願ってしまうのは、やっぱり寂しいんだと思う。

 安心していたいんだ。世界は優しいって。

 自分が日々大半楽しくて、好きな奴が元気で笑っている。

 ついでに少しお金があればシアワセだよな?

 欲は際限ないけれど、それでも大事なところを押さえていれば

 “シアワセな人生”ってやつを 送れるんじゃないかな。


 毎日毎日、つらつら考えて、時折全部を悲観して

 もうアイツとは遊べないかもしれないな、なんて。


 たまたまこっちが絶不調で、あっちもちょっと余裕がなくて、

 うまく楽しめなくて、凹むなんてこと、たまにあるけど。

 そんなとき“約束”は夢にも希望にもなる。

 “次”があって “未来”へ繋がる絆っぽいもの。

 シアワセだと怖いくせに、うまくいかないときはその時で心細いなんて

 勝手なもんだよな“心”ってやつは。


 生きるのは、本当に面倒くさいな。

 でも、もう少し生きてみようか。

 どうせ儚い体だ、いつだって終われるだろ。

 だったら、また1日過ごしたっていいだろう?

 カミサマの気まぐれで“イイコト”あるかもしれないし。

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孤人属 よだか @yodaka

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