第2話 鈍感

最近仔犬さんが甘えてばかりなのだ


そのおかげで私はあまり甘えれていない

つまり、かなり無理をしてるということなのだ


仔犬さんは私が無理をしていることに少し気づいている

だけど、甘えたさんしたい仔犬さんに、無理をさせてしまうのが申し訳なくて、いつも


「大丈夫だよ」


そう言って誤魔化してしまう



私を甘やかさなきゃと思いつつも、疲れたから甘えたいという気持ちの方が強く、結局仔犬さんは負けて甘え、寝てしまう


仔犬さんは本当に眠たい時、寝れば1時間は呼んでも何しても起きない


だからその間が私の休み時間



仔犬さんを甘やかすためには自分が元気でいなきゃいけない

なぜなら、仔犬さんはそういう面に関してはすごく敏感だからだ


だから、自分に大丈夫だと言い聞かせてずっと笑顔で撫でている


どんなに疲れて帰ってきても、甘えたいアピールをされたら頑張っていた



だけど、少しずつ限界が近づいてきていた


少しでも気を緩めたら泣きそうなほど、疲れが溜まっていた



そういう時は、仔犬さんが寝てから1人で静かに泣いている

1時間は起きないことが分かっているけど、声を押し殺して静かにバレないように…


だから、夜中に一人で泣いていることは、仔犬さんは知らない


仔犬さんが知っているのは、寝る前の甘やかしている間無理しているということだけ


(ほんとは泣いてるのを分かっていても、私が誤魔化すことを知っているから、聞かないでいてくれてるだけかもしれないけれど…)



本当に気づいているのか

それとも気づいていないのか


そこは私にはわからない



気づかれないようにしているけれど、本当は気づいて欲しい


恥ずかしくて口には出せないけれど、本当はずっとそんな風に思ってる


だから、気づいているなら声に出して欲しい


声に出してくれないと、気づいてるのか気づいてないのかわからないから




今日も、私は無理をして仔犬さんを甘やかす


だから、早く無理してるのに気づいて…


甘えさせて…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る