第29話 滝壺の妖怪?魔物?

 滝壺の周りはプールのような泉が出来ていた。


 水は澄んで、魚の姿が見えた。

底は見えない程、深そうだった。

赤とか、紫、黄色の魚が優雅に泳いでいる姿を眺めていたら、心が癒された。鑑賞魚みたい、綺麗な魚。青と白の縞々模様の体に青のグラデーションがかった尾をヒラヒラさせる魚を眺めていた時、側に人の顔があった。銀色の瞳と目があった!


 驚いて、叫び声を出しそうになったら、水の中から手が伸びあたしの腕を掴み、物凄い力で水の中に引きずり込まれてしまった。


 冷たい!!


 気がついた時は遥か下まで、引っ張られていた後だった。見ると青い髪が水の中でたなびき、白い体に白い顔の手や足にヒレを付けた妖精?魔物?水の精霊?そんな人があたしの顔を掴み自分の顔に近付けた。銀色の瞳が紫へそして赤と変わり、瞳が妖しく光った。


 満足気に微笑むと口付けする。逃げようとしても、体が動かない。舌を絡ませられる。服の上から、体をまさぐられる。あたしの胸を痛い程、揉みしだき、あたしの足を開かせた。


ヤバい!!


 でも水の中なのに、何故か苦しくない。水の精霊だったら、あたしの体をこんな風に、操るわけがない。


 あたしの足の間に自分の足を入れ、何かを押し付け擦る。服の上からで良かった。だけど、腕を掴み、奥に連れて行こうとする。


 やめて!!声も出せない。


どんどん進み、水の中の洞窟のような所に連れて行かれた。


 暫く洞窟を進むと水の上に出された。ここはどこ?あたしを抱きながら、立ち上がる。そのまま、そこから更に奥に歩いていく。結構、高さがある。この人すごく大きい。マグノリア隊長よりも大きい?


 何だかわからないけど、この魔物だか妖精だか、妖怪だかの巣のようだ。辺りは薄暗く、寒い。あたしは震え、声も出せない。


 あたしは柔らかい草のクッションの上に寝転がされた。あたしに近付くと、何かわからない言葉を発した。そして手をあたしの体に這わせた、途端にホワッと温かいものがあたしの体に入ってくる。あたしの体の中で手先から、足先まで移動し温かくなる。これは魔力?魔法?


 そして、彼はあたしの上に乗って、また口を開かせる。自分の意思を使ってもいないのに、どういうわけか舌を絡ませられる。


 そして、服のボタンを外しはじめた。これはマズイ。何かの魔法を使って、あたしの体を動かせないようにしたのね。それなら、あたしも自分の魔力を使って、抵抗するしかない。彼はあたしの首筋の匂いを嗅いでいる。そして、首から、鎖骨へ舌を這わせる。片方の胸を服から出し、吸い付いた。途端にあたしの息が早くなってきた。


 勝手に操るのはやめて!!


ビリビリッと火花が散るような、電気が走った。


 彼は驚いた顔した後、声を出して笑った。そしてズボンの中に入っていたシャツをたくし上げ、胸をあらわにした。あたしは恥ずかしくなり、胸を手で隠した。


 しかし彼はあたしの腕を手で抑え、胸の頂きに舌を這わせ、吸い付く。思わず声が出た。


 彼はあたしの顔を見ながら、微笑む。そしてあたしの足を無理矢理開かせ、ズボンの中に手を入れ、中を広げて敏感な部分を指でもてあそぶ。ああ、声が漏れてしまう。


 くそぅ!好き勝手して!だけど、あたしは自分の体をねじり抵抗した。そして、自分の意思で体を動かせる事に気がついた。


 そうだ、さっき電気走った時ね!


「もう、やめて!!」


 すると、彼は「ほう、我の魔法を解いたのか?やるではないか。だがどこまで抵抗出来るかな?」と笑う。腕の力は彼の方が強く、ビクともしない。


 奴はワザと指に力を入れ、動きを早め、指を中に出し入れ、くのらせなぶる。声が漏れて、感じてしまうのがバレないよう、歯をくいしばり我慢した。


 その様を眺めて微笑む、あやかしめ〜!どうしようこのままでは、最後までされてしまう。怖い。


 そして、いきなりあたし上にのしかかってきた。そして、あたしのズボンを下ろし、放り投げる。


でも、もうこれ以上はやらせないんだから!!



「ダサーン!助けて!」



 と叫んだ。途端にあたしの体中を雷がまとい、眩しい光と共に妖の彼を部屋の端まで、弾け飛ばした。


 その態勢のまま、暫くいた。

やがて彼が静かになっている事に気がついた。


 彼が何ものかわからないけど、兎に角、意識が戻る前にここから逃げるしかない。急いで水の中へ戻る。


でも来た時と違って、息が続かない。もうすぐ水面までって所まで浮上したが、そこで意識がなくなった。


 気が付いた時はキャンピングカーのベッドの中に寝かされていた。隣にはアルフが眠っていた。

あたしはアルフに抱きついた。

そして、声を出して泣いた。

悔しくて、悲しくて、迂闊うかつだった自分に対しても。


 アルフは起きると、抱きしめ返してくれた。あたしの頭を撫で、もう大丈夫だ。もう安心だよと優しく言った。


 どれ位経ったのだろう。

あたしはしゃくりあげながら、妖のようなものに連れて行かれた事、魔法みたいなもので、体が動かなくなっていた事、キスされた事、力が強い妖で無理矢理、服を脱がされ、大事な所を指で触られた事を話した。


 そして、このままでは最後までされそうで怖かったので、雷の精霊を呼んで弾け飛ばして、逃げてきたと話した。


 うんうん。そうか、大変だったね。もう、怖い思いはさせないから、大丈夫だからと抱きしめ、背中を撫でてくれた。その言葉を聞いて安心して、また眠ってしまった。



 眼が覚めると、次の日の朝だった。キャンピングカーの周りは川の側にいた。


 ミトレスがスープを作っていた。

あたしはおはようと挨拶してから、アルフ達が居ない事を聞いた。


ミトレスは苦笑いをして、アルフの怒りが凄まじくて、なんか滝壺の妖をやっつけに行くとか言ってたよと言った。


 そうだった!!あの時、気が動転していて、全部話してしまったけど、アルフは嫉妬深いんだった。


 ふん。あの妖、、ちょっと偉そうだったし、知るもんか。でも、退治っていっても、水の中だよ?



 僕は腹が立って仕方なかった。

春音をさらわれた事、妖野郎にキスされ、何と僕しか触った事のない場所を触らせてしまった事!!


 そして、そんな状態を引き起こした自分自身に腹が立った。


 雷の精霊が彼女に応えてくれなかったら、彼女は最後まで奪われてしまっていたかもしれない。


 そして、彼女を失っていたかもしれない。その恐怖とあまりの怒りで、自分の魔力が抑えられない。髪も逆立ち体が光り、魔力が揺らめいている。


どっちが妖かわからない。このままでは、辺り一帯を破壊してしまう。でも、奴だけは絶対許す訳にはいかない。


 マグノリア隊長もジョージもオーレンも高坂も、僕のあまりの魔力や圧力に側に近付けない。

皆には悪いが、抑えられないし、抑えるつもりもない。


 虹色の魔力の凄まじさったら、春音とタメはるよなと、皆で呟いているのが聞こえる。


 シルバニアは流石の王族で、虹色魔力持ちだ。彼は皆と僕の中間に居た。


 取り敢えず様子を見ようと、マグノリア隊長は皆に、殿下に近付かないよう指示した。


 僕は滝壺の水の洞窟辺りをジッと見た。右手を大きくかざし、滝壺のある泉、滝近くの川までを凍らせた。


 そして、両手を挙げそのまま体を浮き上がらせた。凍った泉も、滝壺も滝も一緒に浮かんだ。水が落ちないよう、滝の上も凍らせる。そして、一旦凍った泉達を脇に置いた。


 泉の中は水が無くなり、岩肌に洞窟が浮かび上がる。

僕は歩いて降りていった。


 マグノリア隊長がよしよーし!俺達も降りて行くぞ!と言った。


 洞窟の道を進むと、広い踊り場のような場所に出た。その先は階段がある。階段を上がると、暗い部屋の中に入った。


僕が部屋に入ると体が光っているので、辺りが照らされ輝いた。


水の妖、、。そうかこいつか。


 青い髪を腰まで垂らし、青白い顔に体。銀色の瞳。春音に聞いた奴だ。腰回りには煌めく布をまとい銀の椅子に腰掛けていた。


 不愉快そうな顔で

「はて?貴様を招待した覚えはないが、貴様は誰だ?」


 体が煮えたぎった。

「この国の王子だ!妻をさらって、よくももてあそんでくれたな!」


 体が光輝き、光魔法も炎魔法も雷魔法も同時に放った!それらの魔法が絡まり輝く刃となって妖の胸を貫いた。



「……我は、、水の魔族の王子だ。……生意気な人間の王子め!我を殺せば、仲間が貴様の首を狙うだろう。…我に伏して詫びよ。」



 そう言うと胸に刺さった刃を抜こうとしたが、僕は怒りで暴走し、奴めがけて魔力で圧力をかけた。奴も俺を睨みつけ、圧力を返そうとする。だが、奴は動けなくなり、僕の顔を恐怖で怯えた眼差しで見た。そう、その顔が見たかったんだ。僕は水の魔族の肩を掴み奴の体から、魔力を吸い取った。



「……貴様!何者?…人間にそんな力が、、あるはずが……。」



やがて、水の魔族の体は干からびて、崩れ落ちた。


僕は干からびた体をそのまま残し、引き返した。



 何者か、、か。

そんなの僕が聞きたいよ。

子供の頃からこんな力を持っていて、皆はうやまうけど恐れていて。


 最初の暴走で母上は僕を見放した。そして、あの欲望の塊のような奴らの元へ送った。

 毎日休まらない生活の中、心が擦り切れ壊れそうになった。だから、僕は魔力を暴走させた。お前らが欲しがる力を見せつけてやった。奴等の恐怖に歪んだ目をみた。


 それでも、心は晴れない。

姉上の死が余計、僕を孤独にした。春音が現れなければ、またあの孤独で淋しくて、怒りだけの時間がずっと続くのだろう。



 何者にも奪わせない。

 春音は僕のものだ。

 僕から奪うのなら、

 そいつには死を与えるのみ。



 アルフが戻って来たとき、アルフの様子がおかしかった。食事中もボウっとしていて、誰かが質問しても、応えなかった。


 だから、早目に寝る事にした。


 キャンピングカーに行くと、あたしはアルフをしっかり抱きしめた。

するとアルフはあたしの口びるを奪い、舌を深く入れ絡ませた。


服の上から、胸を下から掴むように揉みしだき、あたしの服も下着も直ぐに剥ぎ取り、ベッドに倒した。自分も服を脱ぎあたしの首元の匂いを嗅いだ。


ああ、と言うとあたしの足を開かせ、消毒だと言って、奴に触られた場合を口に含むと舌で転がし、もてあそんだ。イカされても、許してくれず奥まで突き立てられた。全てを払拭するように、中で出された。背中に爪を立てられ、乳首を噛まれた。あたしの足をアルフの肩にのせ繋がりを見ながら、誰のものが入っているかと聞いた。そして何度も何度も中で果てた。乱暴に奥までかき回され、全てが俺のものだと主張するように、アルフの跡を身体中に残された。


あたしも全て奪って欲しかった。忘れさせて欲しくて、身を委ねた。


そして繋がったの態勢で、二人とも朝まで眠ってしまった。

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