第10話新兵器と奴隷購入
1534年8月『種子島・種子島城』種子島犬楠丸・6歳
「この槍をどう思う?」
「さすが若様が考えられた新兵器でございます、3間もの長い槍を叩き付け跳ねる力を利用して兜や甲冑を陥没させるなど、吾らでは考えもつかない事でございます」
俺が量産させた、竹製の柄が3間もある槍を試していたが、時政青龍・福丸朱雀・徳丸白虎・税所篤長が口々に褒めてくれる。
柄が竹で出来ているため、上から振り下ろそうが横から薙ぎ払おうが曲線の軌道で敵に向かうため、正確に攻撃を見切ることが難しい。しかも打撃力が半端なく強力で、兜に直撃すれば頭の頭蓋骨は陥没し、鎧を当たれば肋骨はもちろん四肢の骨をたやすく骨折させるほどだ。
鉄砲を創り出す鍛冶はまだ少数しかいないので、取りあえずは既存の武具に改良を施した新兵器を量産することを優先させつつ、鉄砲作りを学ばせている。新兵器以外の既存のままの武具・甲冑は各国各地の商人に大量注文してある。
それと俺は、商人に奴隷・兵糧・武具甲冑だけでなく、それを創り出す人間である鍛冶師・弓師・甲冑師・船大工などの人材も募集してもらった。そうして集まった職人たちに俺が考案した新兵器を試作量産してもらっていたのだ。
そうして購入した奴隷により新編成し訓練している足軽部隊は幾つかある、1つはもちろん鉄砲部隊だが、補助具を使って破壊力を限りなく向上させた投槍・投石の部隊や、従来通りの槍隊・弓隊も当然編成している。
今日は明国の海賊商人・王直との売買交渉だ!
「王直殿、今回の馬は希望よりも小型だが、数をそろえてくれたから代価は龍涎香で支払わせてもらおう」
「有難うございます若君、それでは奴隷の方の支払いも龍涎香でしていただけますかな?」
「残念だが奴隷の質が悪い、やせ細って今にも死にそうな者が73人もいるではないか」
「しかし残りの427人は精強な男たちですよ、ここは龍涎香を奮発して頂きたいものですね」
「そこは最初の約束通りだ、子供の産める妙齢の女なら龍涎香、戦うことが出来る若い精強な男は石鹸、それ以外の老弱な男女は蝋燭での支払いだ」
「そこを曲げて頂けませんかな?」
「王直殿、今日1度きりの取引では無いだろう? これからの長い付き合いになるのだ、約束は守るのが互いのためだと思うぞ!」
「ふぅ~む、仕方ありませんな、だが理解して頂きたいことがあります。犬楠丸殿が各国各地の商人をたきつけた所為で、明国内で物価が高騰しているのです。犬楠丸殿が注文された品々を購入する単価が高くなっているのですよ!」
「だがその分、私が対価に支払っている品々も値上がりしているだろ?!」
「ふぅ~、犬楠丸殿には敵いませんな!」
俺と商人たちの交渉は命懸けの勝負でもある!
特に海賊商人は、思い通りの取引が出来なければ商人から海賊に豹変し、俺や家臣たちを皆殺しにして全てを奪おうとする。だから彼らとの交渉には武力を背景とした威圧が必要不可欠だ!
そもそも俺達に武力が無ければ、最初から俺たちをを皆殺しにしようとしただろう、いや違うな、俺たちを生け捕りにして奴隷として売り払うだろう。
この世界・時代は一瞬の油断が命取りなのだ!
「種子島家足軽隊」
騎馬隊・1000騎
鉄砲隊・ 500兵
弓隊 ・1000兵
投石隊・1000兵
投槍 ・1000兵
槍隊 ・2000兵
「種子島海軍」
小早船(20丁櫓・40兵)20船
関船 (40丁櫓・90兵)10船
ジャンク船 10船
ブリック 2船
スクナー 2船
フリゲート 1艦
王直・明国の海賊商人
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます