第12話密談
今のうちだ、逃げよう。
「な、朝野殿、何を勝手な!」
「横井殿、御頭様に疑いが行くような指導法は慎みなされ!」
まず安全な寝室の確保だ。
「アヤ部屋を借りに行くぞ」
「え、でも私お金がない・・・・」
「俺が立て替える、明日の成果で返してくれればいい」
「うん。ありがとう」
さて、現金が1032銅貨か、今更買取所にま戻れないし、仕方ないな。
「お姉さん、2人部屋を借りたいのですが空いてますか?」
「2人で600銅貨だよ」
「はいこれでお願いします」
(戸締りには気をつけな)
お姉さんが小声でささやいてくれる。
(ありがとうございます)
砦内では、闇奴隷売買は常識のようだけど、心配と後ろめたさはあるんだな。
「アヤ、まず部屋に行って安全確認したら魔法カギを掛けてくれ」
「はい、でもあたしでいいの?」
「アヤが魔法カギ掛けたら、筆頭魔導士様以外は無理やり開けれないよ。アヤ、まず窓を施錠してくれ」
「うん、これでいい?」
「ああ、ありがとう。一旦出て外からドアを施錠しよう」
「よし、アヤ飯に行こう」
「はい」
「おばさん、晩飯お願いします」
「はいよ。今日は大盛の獣肉シチュー・野菜の酢漬け・山菜御浸しだよ。」
「はい、ありがとうございます」
(鈴木代官は清廉潔白と言う噂だよ)
おばさんも小声で頼るべき人を教えてくれた。
(ありがとうございます)
「さ、アヤあの机で食べよう」
「アヤ、部屋に戻ろう。」
特に会話する事も無く、慌ただしく食事を済ませて部屋に戻ることにした。
「うん」
「アヤ、今後のことだが、覚悟を決めて欲しい。お前は金ずるだから、殺される確率は低いけど、俺は確実に殺される。襲ってくる相手は、例え友人や貴族士族でも返り討ちに、いや、罠に嵌めてでも殺してくれ」
「うん、約束する、必ず殺す」
よし、覚悟はあるんだな。
真タケルめ、愛されてるじゃないか!
羨ましい話だ。
「次に明日の狩りだけど、圧縮火炎魔法は使えるか?」
「どうするの?」
「見てろ。火炎系の魔法を大きくするのではなく、こう圧縮して魔物の後頭部から脳にぶつける。そして脳内で頭蓋骨が破裂しない程度に拡大して、無傷で殺す」
「こう?」
「よし、流石だ」
「次に同じ要領で風魔法をこう圧縮して、喉笛を掻き切る」
「こう?」
「流石だ、一度見ただけで完璧だ」
真タケルも、これだけ才能に差にが有ったから、アヤに告白できなかったのかな?
「次に、土魔法で殺した獲物の重力軽減はできる?」
「うん、こう?」
「こらこら、俺を持ち上げるんじゃない」
くそ、俺の魔力じゃできない重さだよ。
「次に風系魔法で、重力軽減した獲物を移動させれるか?」
「こら、又俺にかけるんじゃない」
「明日は、湿地や河川で危険な獣を狩る。水際で殺した獲物を、魔法袋に入れようと不用意に近づけば、強力な獣に殺される危険がある。だから今の手順で殺し・軽くし・運んで安全な所で回収する」
「はい」
「それと、アヤの魔法袋容量は、最低でも三千二百キログラムだったよね?」
「うん、四千キログラムくらい」
「ただ、俺達は狙われている。常に魔力は温存しないといけない。行きと狩りで使えるの魔力は半分まで、容量が空いていても、魔力が半分に減ったら撤退だ」
「はい」
「では、最後に俺が考案した魔力鍛錬をやる。苦しいが真似してくれ」
「はい!」
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